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第7回 カンガス・デ・オニス

はろはろ〜こんにちは〜!“よっぴ”です。
今回紹介するのはスペイン北部アストゥリアス地方にある「カンガス・デ・オニス」です。
スペイン北部、ガリシアからバスクにかけてカンタブリア海に面したこれらの地方は雨も多く緑の自然に恵まれグリーン・スペインと呼ばれています。
背後にカンタブリア山系の美しい渓谷がせまり、Costa Verde(緑の海岸)と呼ばれるカンタブリア海の入り組んだ入り江と漁港の連なりは日本の田舎の漁村の風景ととてもよく似ています。

第7回「Cangas de Onis」

1998年にオープンしたこのパラドールは当初、サンティアゴ、レオンと並んで3番目の5つ星パラドールとして開業していました。ところがいつの間にか4つ星のパラドールになっています。
まあ、いくら立派なパラドールといえどもサンティアゴやレオンと肩を並べるのはいかにも恐れ多いとでも思ったのでしょうか?

ところで、世界史に余程詳しい人でもカンガス・デ・オニスという地名は聞いたことがある人はあまりいないかもしれませんが、「コバドンガの戦い」と言えば聞いたことがある方もいると思います。 722年、カンガス・デ・オニスの南東8kmにある、「コバドンガの戦い」で西ゴート族のドン・ペラヨは、当時イベリア半島のほぼ全体を支配していたイスラム教徒との戦いに勝って、この地カンガス・デ・オニスに宮廷を置きアストゥリアス王国を建設したのです。 つまりこの「コバドンガの戦い」がこの後1492年グラナダ陥落まで続くレコンキスタ(国土回復戦争)の始まりだったのです。

このときのドン・ペラヨはアストゥリアスの王となり、首都カンガス・デ・オニスはスペイン王制の発祥の地とされています。
つまり、この地はスペインの歴史上とても重要な場所なのです。

このカンガス・デ・オニスのパラドールは宮殿ではなく、8世紀半ばにアルフォンソ一世王により建立され、12〜18世紀にかけサン ペドロ修道会に運営されていたビリャヌエバ修道院で1907年に国定建造物に指定されています。カンガス・デ・オニスのパラドールはこのサン・ペドロ・デ・ビジャヌエバ修道院を改装、増築したものです。
ただ、旧修道院を改装したパラドールではあるけれど、歴史の中のパラドールと言うよりもリゾートホテルとしての要素が高いのが特徴でしょう。
広大な敷地を持ち、周囲にはセジャ川の清流とピコス・デ・エウロパの山並みがせまり、大自然の中での渓流釣りやカヌー、トレッキング、登山、乗馬、サイクリングなどのアクティビティが楽しめます。
そうは言っても、国定の建造物に指定されている旧修道院の本館には工事によって発掘された遺跡をそのまま残してあって、遺構をガラスの床で覆って見せる為に造られた部屋が二カ所造られています。
また、発掘された遺物もいたるところに展示されており、さながらミニ博物館のようです。
増築された新館は主に客室となっていますが、本館とはガラス屋根の廊下と地下通路(実際は1階)によって繋がれていて新旧建物による違和感は全く感じられない落ち着きのある建物となっています。
この地下通路に沿ってコンベンションホールとレストランが緑の芝の庭に面して造られ、どちらも明るく、広々としています。

☆パラドールの部屋について

パラドールと言えばホテルの施設なのだから客室があって当たり前ですが、一体どんな部屋を想像するのでしょうか?
古い宮殿やお城を改装した・・・ット思う人は豪華な王様が住んでいたような天蓋付きのベッドのある部屋を想像するだろうし、修道院からは質素なベッドと小机だけの部屋を想像するのでしょうか?
パラドールも国営のホテルチェーンなのですから、他のホテルと同じように☆によってランク付けされています。
最上級の5つ☆はサンティアゴとレオン、あとは全て3つ☆と4つ☆です。
この☆のランク付けは一般のホテルと同じように諸設備によって決まりますが、☆が多ければ必ずしも居心地が良いと言うわけではありません。
特にパラドールの場合は3つ☆が4つ☆よりも劣ると言うわけではないので☆の数は気にすることもナイと思います。
それよりもパラドールには3つタイプがあるので、それぞれの好みや目的で選ぶのがよいでしょう。
さて、そこでモンダイは、第1のタイプの古い修道院や宮殿を改装して作られたパラドールにも増築されて新しく作られた部屋があると言うことなのです。
いや、むしろこれらの部屋の方が数は多いと言ってもよいと思います。
グラナダのように絶対に増築することの出来ないパラドールもありますが、多くのパラドールでは雰囲気を大切にしながらも増築して客室を確保しているのです。
でなければとても世界中から集まる観光客に部屋を提供することが出来ないからなのです。

もし、貴方が古い修道院や宮殿のオリジナルの部屋に泊まることができたのならラッキーと喜んで下さい。 石造りの壁に天井の彫刻、古びた暖炉に薄暗い灯り、でも空調は完全ですし、お風呂、トイレなどの水周りも最新設備ですから安心して下さい。

もし、ソウイウ部屋は怖くてイヤだというのなら新しい部屋に替えて貰えるでしょうが…。
新しい部屋の場合でもリクエストして空いていれば古い部屋に泊まれるかもしれません。
新しい部屋と言ってもインテリアは雰囲気バッチリですし、家具、調度品も落ち着きのあるオリジナル或いはそれに近いモノが使われていますから十分に満足できるとは思います。
どの部屋に泊まるにしろ、サロンやパティオ、レストラン、バルはゆったりとした時間を過ごすのに最適な空間を演出しています。

部屋の広さですが、増築された新館の部屋は大体一流ホテル並のゆったりとした広さを確保して、それにバルコニーが付いている部屋も多くて快適ですが、歴史的建造物を利用した本館の部屋の場合はまちまちです。
びっくりするほど高い天井と広い部屋の場合もあれば、狭いなあッテ思う部屋もあります。
設備はスタンダードの部屋だとツィンのベッドにテーブルと椅子或いはソファ、机、など、金庫とミニバーは大体付いていますが一部無い部屋もあります。
洗面所は大体2つ、トイレにビデ、大きなバスタブ、バスローブはリゾートタイプには一部備え付けてありますが大体はありません。

アメニティは非常に豊富です、(石鹸、シャンプー、ボディソープ、ティシュー、靴べら、くし、靴磨き、裁縫セット、コロン、…・)全部が揃っているとは限りません、もし備え付けてなくて、そのパラドールにあるモノだったら頼めば貰えるでしょう。
欧米のホテルには珍しく歯ブラシは大体付いています。
変わったものとすれば、一部のホテルには入浴用の塩やスリッパがあります。
ほとんどパラドールのロゴの入った可愛いケース入りなのでお土産に持ち帰るとヨイ記念になるでしょう。

by“よっぴ”