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第22回 オンダリビア

はろはろ!こんにちは?!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。 前回は川を挟んだ、ポルトガルとの国境の町アヤモンテでした、今回はやはり川を挟んだフランスとの国境の町オンダリビアです。 バスク地方と言えばETAのテロ活動が心配になりますが、ここ、オンダリビアはそんなことを微塵も感じさせない静かで美しい漁村です。

第21回オンダリビア Hondarribia
名称「Parador”El Emperador"」皇帝のパラドール

この名称の皇帝とは神聖ローマ帝国を兼ねたカルロス5世のことを指しています。 10世紀にナバラ王サンチョ・アバルカが築いたという、この城を、16世紀に一時フランス軍に占拠されされてしまったので、より兼固なものにとカルロス5世によりフランス国境の要地の城兼宮殿として改築されたものです。 17世紀のフェリペ4世のときには2ヶ月にわたる攻撃に耐えたといいます。 3mの厚さがあるという外壁には砲弾のあとが、今でも数十カ所も残っています。

オンダリビア(バスク語:Hondarribia)は、スペイン、バスク州ギプスコア県の都市。県の北東端に位置し、フランスとの国境となっているビダソア川を挟んでアンダーユと向かい合っています。スペイン語名はフエンテラビーア(Fuenterrabia)。

フランスとの国境駅イルンからクルマで10分、ビダソア河口を臨む丘の上にパラドールは建っています。
パラドールの建つアルマス・デル・カスティージョ広場はサンタ・マリア教会など昔ながらの姿を残す旧市街地区となっており、広場に面した入り口から3mもある分厚い石壁をくぐり抜けると其処には、はっと息を飲み込むほど感動的な中世の宮殿の世界が広がっているのです。

ごつい石壁が天井まで広がり、重厚な家具や飾られた武具、加えて照明の巧みさで見事なまで中世の世界を演出しています。
中庭に出てみると、そこは崩れかかった石壁そのままにサロンとして使われているのですが、苔むす石壁と配置されたモダンな籐製のソファとの組み合わせがとても美しいのです。
館内のインテリアは全て柔らかで落ち着いた感性が感じられるのです。

ビダソア川に面した広く開放的なバルコニーからはカラフルな小舟やヨット、そして対岸のフランスの町並みが見えます。


このパラドールは全パラドール中唯一レストランを持たないホテルなのです。
これは増築が出来ないので、雰囲気を大事にするために、レストランや厨房にスペースを取られたくない為なのですが、このパラドールに関してはレストランが無いことは全く欠点にならないのです。
何故なら、歩いて10分ほどのビーチ沿いの新市街には新鮮な魚介類を使ったレストランが沢山あり、世界一美味しいと言われるバスク料理が堪能できるのです。
もちろんミシュランの星付きレストランもあります。

もし幸運と少しのお金があったらたった一つのメゾネットタイプのスウィートルームに泊まっては如何でしょう? 勿論、4人まで泊まれるので4人組なら安上がりになりますが…。その場合は1Fのダブルベッドに2人、2Fのツインベッドに2人で泊まることになるそうです。


☆日帰りでサン・セバスティアンへ



オンダリビアからクルマで15分も走ると北部スペイン随一のリゾート地サン・セバスティアンの海岸に出ます。
大都会ですが、コンチャ海岸にはリゾートホテルが立ち並んでいます。

リゾートマンションやレストラン、お土産物屋も沢山ありますが、海岸から少し離れて旧市街を散策するのも楽しいでしょう。 バロック様式の素晴らしい彫刻が施されたサンタ・マリア教会をはじめ、ブエン・パストール教会、市庁舎など見どころもいっぱいです。



ここはスペインの中世とリゾートとショッピング、海の幸が同時に楽しむことができる町なのです。
また、海岸の左手にはコンチャ湾を見下ろすロープウェイもあります。


☆フランスで…

オンダリビアのパラドールにもしスペイン側から入ったのなら是非、ビダソア川を渡ってフランスへのミニ旅行をしてみましょう。
パラドールから坂道を下ること5分、オンダリビアの港に出ます。




そこから左手海沿いに更に5分程で川を渡る定期船の乗り場を見つけることができるでしょう。定期船と言っても20〜30人程で一杯になってしまうボートですが・・・。
乗船料は小さなボートでわずか片道1.6ユーロ、川幅は500mたらずで料金に見合った5分程で対岸の町アンダーユHendayeに着いてしまいます。
ヨットハーバーが広がる洒落たホテルでカフェオレでも飲んでいると、何となくスペインとは違う雰囲気が感じられるでしょう。
聞こえてくる鼻にかかったフランス語が白いホテルのカフェテラスにマッチしています。

スペインでは通常ランチは2時過ぎからですがフランス側では日本と同じように正午過ぎにはレストランで食事を取ることができます。
フランスワインを傾けながらしばしフランスに浸るのも悪くはない?

by“よっぴ”