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第26回 ベニカルロ

はろはろこんにちは?!今日はバレンシアから北に110km程、その名前にもなっている、バレンシアオレンジの木が海岸沿いに生えるコスタ・デ・アサールの中心地ベニカルロのパラドールです。

第19回ベニカルロBenicarlo
名称「Parador"Costa del Azahar"」オレンジの花の海岸のパラドール

バレンシアから列車で1時間半、バロセロナから2時間半、美しいアサール海岸に面してベニカルロのパラドールが建っています。
このあたりからバレンシア県のオリバまで海岸線に沿ってはオレンジ畑が続くのでCosta del Azaharオレンジの花の海岸と呼ばれているのです。

全パラドール中最大の敷地面積をもつというこのパラドールは海岸まで大庭園が広がり その中心に大きなプールが煌めいています。
リゾート風の白亜の2階建てのパラドールの部屋からは広大な地中海が何処までも続いているのが見えます。 部屋のインテリアもブルーとオレンジ色でスッキリとまとめられており、広々した部屋とバルコニーの設備、加えてパラドールの特色であるサロンはいかにもリゾート地のパラドールらしく明るく開放的です。

これらの整った設備は宿泊客は勿論、休憩、食事に訪れる人たちをも十分に満足させるでしょう。

いかにもリゾート地らしいカジュアルなレストランは通常のメニューに加えて好きな食べ物を自由に選べるビュッフェスタイルの食事も併用されているのが嬉しい。 見ると、かなりの客がこのビュッフェスタイルの食事を選択しているようです。 メニューでは2人前からしか受け付けないバレンシア名物のパエリャも日替わりで必ずあるからでしょうか、この日は烏賊墨のパエリャでした。 夏場にはこの広大な庭が野外レストランとして営業され、バーベキューコーナーも設置されます。

☆ペニスコラ

ベニカルロからアサール(オレンジの花)海岸沿いに8km南に下がると地中海に突きだした軍艦のような島影が見えてきます。
この影は半島で陸地とは僅かに接しているだけで3分の2は海に面しているのです。
近づくに連れて島の周りを石の城壁で囲み、その中に白い角張った家が密集しているのが見られるようになります。

この辺りは高級リゾート地帯として、海岸沿いの浜辺に面して近代的な洒落たホテルが建ち並んでいます。
一方、この城壁はスペイン黄金時代にフェリペ2世によって築かれたものですが、この城壁内の村の細道には土産物屋が立ち並び、店を眺めながら丘を上り詰めると、小さいながらも堂々とした城塞があります。 この城は、対立教皇とか偽教皇とか呼ばれていたベネディクトゥス13世(ルナ教皇)が90歳まで立てこもっていた城です。

1394年アヴィニヨンの教皇選出会議で、一旦はアラゴンの枢機卿ペドロ・デ・ルナが教皇に選出されローマ教皇「ベネディクトゥス13世」を名乗るのですが、その後、ローマの枢機卿会議で別の教皇が選出されて異端と弾劾されてしまうのです、しかし、彼は自分の正当性を主張して、このペニスコラの要塞に避難することになるのです。
本当に小さな城ですが、海に囲まれた天然の要塞にこもり、90歳で死ぬまで自分の正当性を主張し続けたという正にスペイン版南北朝時代の舞台なのです。
城の内部は教会と学問を好んだ教皇の間以外にはこれと言ったものもなく、現代アートの展覧会場に使われていたりします。

  

さほどの高さではないのですが、周りには特に高い建物もないため、城のテラスから見下ろすアサールの海岸のパノラマはとても素晴らしい。

海水浴場の反対側に目をやれば町の漁港と魚市場が見えます。

此処の名物は車エビだそうです。


ベニカルロのパラドールから海岸線を南下してペニスコラに向かっているときだった。 案内をしてくれたバレンシア在住のI氏にペニスコラの名前の由来を聞いてみたところ、「そりゃあ決まっているでしょう、あの形を見て下さいよ。」「ぺ・ニ・ス・コラ 。。。」 「ね、ワカッタでしょ?、やっぱスペイン人のは大きいですからな。。。はっはっは!」なるほど、それにしても随分と露骨な名前にしたもんだなあ?っと感心をしてしまった。 後日、その事を他の人に話をしたところ 「あっはっはっ!それは担がれたんですよ、いくらスペインでもそんな名前はつけませんよ、ラテン語のペニンスラ=半島からきたんですよ!」 やられた!でも、あの堂々とした話しぶり・・・もしかしたら彼も誰かに担がれて、今でも信じているのかも知れない。 話とすればこの方が断然面白いのだが…。

by"よっぴ"