« 第50回 ハランディージャ・デ・ラ・ベラ | メイン | 第52回 グアダルーペ »

第51回 カセレス

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。
今回はローマ時代から町作りが始まり、アラブ人によって完成された城壁に囲まれ、内部にはゴシック、ルネッサンスなどいろいろな様式による貴族の館が立ち並ぶ、その美しさからエストレマドゥーラの宝石と呼ばれる町「カセレス」のパラドールを紹介しましょう。
近代史上ではスペイン内戦時にフランコ将軍の最初の総司令部が置かれています。

第51回カセレスCaceres
名称Parador de Caceres

カセレス鉄道駅から町の中心マヨール広場まで5km離れています。マヨール広場の正面に見える石の階段とアーチ、エストレーリャ門(星の門)が旧市街地域へのタイムトンネルです。
パラドールは15,6世紀の歴史的建造物に溢れ、世界遺産に登録されたカセレス旧市街の中心部にあり、アラブ時代の住居跡に建てられた旧トレオルガスTorreorgaz邸で、Ovando Mogollon ,Pereo Paredesのいえとよばれた二つのお屋敷を改装したものです。両家とも何度も改築されParadorにする際にまた大きく直されましたが各々正面入り口部分はオリジナルが見られます。二つの建物が合わさっているため、中はちょっとした迷路のように入り組んでいます。レストランは芝生の庭に面していて庭の食卓でも食事が供されています。部屋数も少な目で全体的にこじんまりとしていて、とても落ち着いたパラドールです。
Caceresの旧市街には教会等の沢山の塔があり、かなりのコウノトリの巣がその上に見られますがParadorの塔もその一つで上に大きなコウノトリが見られます。

今でも町の中には家の下にアラブ時代の貯水槽があると言われています。想像がつかない人は近くのCasa de las Veletas(風見鶏の館―現在博物館として展示されている)に行ってみると完全な形で残された 貯水槽Aljibeを見ることが出来ます。


市街の通りは夜になると灯りに照らされた建物が幻想的な雰囲気を醸し出します。宿泊の際には、夕食後に是非とも入り組んだ路地のお散歩を組み入れて欲しい町です。暑い夏でもとても混み合う人気パラドールの一つです。


☆ 銀の道

スペインの街道で有名なのは「サンティアゴへの巡礼路」ですが、その他にも色々な観光地に沿って名前が付けられた街道があります。

ローマ人によって作られ、スペインの北と南を結ぶ石畳、カセレスなどエストレマドゥーラ地方の中世の都市を含む街道が「銀の道」とよばれています。
カンタブリア海地方の銀がメリダに運ばれたことから「銀の道」と呼ばれるようになったのですが、この街道沿いにはレオン、サモラ、サラマンカ、シウダ・ロドリゴ、ハランディージャ・デ・ラ・ベラ、グアダルーペ、トルヒージョ、カセレス、メリダ、サフラと重要な文化財を持つ町と村が沢山あり「サンティアゴへの巡礼路」と同様近年脚光をあびています。

「緑のスペインの道」はガリシア地方からピレネー山脈までのカンタブリア海(緑の海岸)沿いの、文化・食生活の変化に富んだ北スペインの景色の美しい地方、バイオナ(バジョーナ)、サンティアゴ、サンティジャーナ、オンダリビアを結ぶ街道です。

「サンティアゴ巡礼の道」にはルゴ、レオン、サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダ、オリテ、ソス・デル・レイ・カトリコの素晴らしい町があります。

「ピレネーの道」はフランスとの、美しい自然の国境です。
自然の山や森の間に点在する村と町、古い修道院、ロマネスクの教会が魅力的です。

「中央山岳地帯の道」はマドリッドを中心に取り巻く豊かな歴史的遺産を持つ地がたくさんあります。シグエンサ、セゴビア、アビラ、オロペサ、トレド、チンチョン、クエンカ、アルカラ・デ・エナレスと世界遺産のオンパレードです。

「マエストラスゴの道」はモレリャを中心としたモンテサ騎士団領(マエストラスゴ)を囲む街道でイベロ、ローマ、西ゴート、アラブなど様々な文化の影響を受け、モーロ人と戦うために城塞化された村などが今なお残っているのです。
アルカニス、トルトサ、ベニカルロ、バレンシア、テルエルを結んでいます。

「白い村の道」はご存じアンダルシアの明るい太陽に照らされた沢山の白い村を結ぶ道です。マンサナレス、ウベダ、グラナダ、マラガ、ロンダ、カディス、カルモナ、コルドバ、アルマグロとこれまた魅力的な町や村が沢山ですね。

このように一つのテーマに沿った街道沿いに旅をするのも楽しいでしょう。
どの街道にも素晴らしいパラドールがあります。

by“よっぴ”