第59回 アルコス・デ・ラ・フロンテーラ
はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。
今回はアンダルシアの美しい白い町アルコス・デ・ラ・フロンテーラの頂上に立つパラドールを紹介致しましょう。
アルコスはグアダレーテ川Rio Guadalateの流れに囲まれた険しい台地の上にあり頂上のカビルド大広場の片側はバルコニーになっており深い谷を見下ろすことができます。
グアダレーテ川の河原では果樹や穀物が栽培され、遠くに広がる素晴らしい景色を望むことができます。
第59回アルコス・デ・ラ・フロンテーラ
名称Parador"Casa del Corregidor" 代官屋敷のパラドール
シェリー酒で有名なヘレスの街から31km、グアダレテ川を見下ろす小高い丘に広がるアンダルシアの白い町がアルコス・デ・ラ・フロンテーラです。町全体が国の重要文化財地域に指定されていて、特に頂上のカルビド広場を中心として、付近はパラドールの他に城塞跡やサンタマリア教会とともに中世そのままの旧市街を形作っているのです。
このパラドールは元々は、15世紀には王室の代官屋敷だったもので、後に司教の館となり、その後ナポレオン軍の侵攻で破壊されたものを元の建物の基本的部分を壊さないように改装増築して作られたものです。
クルマでない人は、丘のふもとのバスターミナルからは歩くと30分かかるのでタクシーか町営のミニバスを利用することになります。頂上までの7,8分、時折一方通行の混じる細い道をくねくねと曲がりながら登って行きます。勿論ツァー客とて、大型のバスが通れないので、同じに歩くかミニバスを利用しなければなりません。
パラドールは客室の数も少なく全体的にこじんまりしています。パティオもサロンも小さめですが、それがかえって落ち着きを生み出しているのです。レセプションで手続きを終えて中に入ると先ず目に付くのがアーチ型の天井をもつ長い廊下、そして中庭でしょう。色使いもさることながら、飾り置かれた調度品がいかにもパラドールらしさを演出していてとても美しい。
アルコは英語のアーチ、それで廊下、レストランとやたらとアーチが目立ちます。
Oficina de turismo(観光案内所)から毎日11:00,17:00に市内観光ツアーがあります。4名以上で催行されます。ご興味がある方はパラドールに相談してみてください。
ヘレスの街まで行きへレス酒の製造見学が出来る酒蔵に行くのも良いでしょう。
もちろん、市価より安くお土産を買うこともできます。
☆ フラメンコ
フラメンコの語源には諸説ありますが、1517年に狂女王フワナに代わって王権を執行するためにカルロス5世がフランスからやって来たときに連れてきた柄の悪い下品な兵隊を指した言葉だと言われています。これがいつの間にかアンダルシアの下品なジプシーを指すようになり、そのジプシーの踊りを指すようになったというのです。或いはアンダルシアの俗語で「はでな」「だてに気取った」のフラメアンテflameanteに由来するなどの説が有力です。
いずれにせよフラメンコはジプシー抜きには考えられない音楽と言ってよいでしょう。スペイン南部に古くから伝わっていた民族音楽や舞踊に、15世紀東方から移住してきたジプシーの歌や踊りが混ざり合って現在のフラメンコが出来上がったと言われています。しかし一般のスペイン人に注目されたのは19世紀も後半、現在のようにスペイン民族芸術として世界に広まったのは20世紀に入ってからでした。
喉の奥から絞り出すような歌声(カンテcante)に官能的な踊り(バイレbaile)とギター演奏(トーケtoque)の絶妙なハーモニー。これに手拍子(パルマスpalmas)と指鳴らし(ピートスpitos)かけ声(ハレオスjaleos)が雰囲気を盛り上げていくのです。特にフラメンコギターによるラスゲオrasgueoと呼ばれる弦のかき鳴らしは独自の音楽芸術を作り上げています。
我々観光客がフラメンコに触れるのにはタブラオtablaoに行くのがよいでしょう。フラメンコを演ずる為の舞台を設けレストランや酒場をを併設しています。アンダルシアのセビージャやマラガだけでなく現在はマドリッドやバロセロナにも多くの店が開いています。ショーは10時頃から始まり午前0時頃に終わります。が、これは観光客向け、地元のファンはそのアト午前3時、4時まで本格的なフラメンコを楽しむのだそうです。
by“よっぴ”