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2014年02月25日

第67回 オロペサ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日紹介するパラドールはスペインの首都マドリッドからポルトガルの首都リスボンへ向って約150kmの街道沿いにある町オロペサの豪壮堅固な古城のパラドールです。

第67回オロペサOropesa
名称 Parador"Virrey Toledo" トレド副王のパラドール

伝説によると、このオロペサの城は最初ギリシア神話に出てくる英雄ヘラクレスが築いたとなっています。その廃城のあとに1366年、この城が建てられ、オロペサOropesa伯爵家の住まいとして18世紀まで使われていたものです。また現在パラドールとして使われているのは15世紀から16世紀にかけて建て増しされた部分です。階段には記念プレートがはめ込まれていて、オロペサの伯爵のひとり、フランシスコ・デ・トレドが1569年から1581年までペルーの総督であったことが記されています。城郭の上に登ると遠くにグレイドスGredosなどの山脈、眼下にはこの小さなOropesaの町が見下ろせます。

現在パラドールの部屋となっている部分ではパラドールになる前の一時期、この一部が学校の教師の住居として使われたこともあるそうです。

このような歴史的建物をパラドールにしたのはこのOropesaの古城が初めてで、1930年にOPENして、サマセット・モームがポルトガルからの旅行の途中此処に立ち寄った際に「此処で食事をするだけのつもりだったが、あまりにも居心地が良く素敵な建物なのでしばらく此処に滞在することにした」と記しているのです。現国王の亡父Don Juanはフランコの時代ポルトガル亡命中にしばしば此処に立ち寄ったそうです。また1945年にはそのフランコもこちらで会食を催しています現在も夏の間には、このパラドールの庭で演劇なども上演されるのです。

この中世の雰囲気いっぱいの、堅固な古城のパラドールはマドリッドからもバス、列車とも約2時間と近く、とても人気の高いパラドールの一つです。
オロペサの町の東約30kmには15世紀以来貴族の館や教会の礼拝堂を飾っていた陶製タイルで有名な村タラベラ・デ・ラ・レイナがあります。現在も陶器の産地として主に多くの壺を生産しています。また、西に2kmにはラガルテラの村があり、テーブルクロスや壁掛け、民族衣装などの手刺繍で有名です。夏には戸口に出て刺繍の実演をしているのを見ることができますし、モチロン買うこともできます。



*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行No2
☆ (航空機2)前回の続き

では飛行機の遅れとはどれくらいあるものなのでしょうか?
これはホントに分からないですね。いえ例え平均○○%と言われても自分の乗った航空機が遅れれば仕方ないし…。
通常トランジットに2時間位取ってあるのが普通ですから、大体1時間位の遅れなら先ず問題はないのです。それに直行便なら2時間遅れでも空港に着く時刻が遅くなるだけですからホテルに入るのが遅れるだけです。
あいにくスペイン行は現在は直行便はなく、必ず何処かの空港で乗り換えなくてはならないので大幅な遅れは乗り継ぎ便に乗れないことになってしまいます。 或いは乗り継ぎ便そのものが欠航したり大幅に遅れるということもないわけではありません。
その上、ヨーロッパ便はヨーロッパ内に到着するのが夕方ですから、乗り継ぎ便が遅れると到着空港で1泊して翌日スペインに向かうということに成りかねません。
正規航空券の場合は他社便に振り替えてくれたり、或いは翌日も一番早い便に乗せてくれることでしょう。 モチロン格安航空券組は最後の最後の搭乗です。これはツァー客も同じです。
このことの例としては、ニューヨークの同時多発テロ事件やアイスランドの火山噴火でヨーロッパ各地の空港が閉鎖され、格安航空券の客やツァー客がナカナカ帰国できなかったことが思い出されます。
ただ、このような特殊な例は別にしても、飛行機の遅延は航空会社の損失でもあるので、それほど多いワケではないし、正規航空券を持っていて優先されても遅れる時間の多少の違いだけです。
万一このような事態になった時のためにチケットの販売した旅行代理店は緊急連絡先の電話番号を教えてくれているはずですし、自分の泊まるホテルにも連絡の電話をしましょう。
このような場合、通常、航空会社で(トランジットの都市での=パリやアムステルダム)ホテルと食事は用意してくれますし、翌日の便が遅ければ市内観光のバスを出してくれたりのサービスもあります。
あまり考えたくない事態ではありますが、このようなときに一番困ることは次の日からビッシリとスケジュールが入っていて、予定していた行程に追いつかないということです。
ですから本当は最初に到着した街(例えばマドリッド)に1泊して翌朝スグにコルドバやグラナダに向かうというようなスケジュールは組まないで、翌日はマドリッド市内観光をしてもう1泊マドリッドに泊まるというようなスケジュールを組めば、万一到着が一日遅れても慌てずにすみます。
要はあんまりビッシリとスケジュールを組まないで少し時間にゆとりを持った旅行を心がければヨイのです。ビッシリとしたスケジュールはツァーに任せましょう。

さて、このトランジットというのは結構緊張する人も多いようです。
見知らぬ空港に到着したあと自分の乗る飛行機の便を確かめて搭乗ゲートまで移動しなければなりませんし、もうそこは外国ですから当然日本語の表示はありません。
普通到着したターミナルで入国審査を受け、自分の乗る航空機が出発するターミナルへの移動もあります。これもアムステルダムのスキポール空港のように繋がっていればヨイのですがフランクフルト空港のようにモノレールのような乗り物、ロンドン・ヒースローのようにバスで移動する場合も多いわけです。出来れば事前に乗り換え空港の地図を手に入れておくといいでしょう。
その上、日系の航空会社を利用した場合には乗り継ぎの飛行機の搭乗手続きをしなければなりませんし、場合によってはけたスーツケースを一旦受け取り、再び預け直さなくてはいけません。 つまり乗り継ぎの航空会社のカウンターに行って航空券とパスポートを見せて搭乗券を貰うという日本での手続きと同じことをするわけです。このとき乗り換え時間が短かったりすると、とてもアセルことになります。
ボクもフランクフルトでトランジットの時間が35分しかなくて空港の中を走ったことがあります。このように最初からトランジットの時間が短い場合、ときには、人間は間に合っても荷物の積み替えが間に合わないという場合も出てくるようです。 このようなときには日本で荷物を預けるときに「トランジットの時間が短くて荷物の積み替えが遅れるかもしれない」と言えば、荷物室から最初に積み替えができるように注意書きをしたシールを貼ってくれます。このシールを貼ってもらうと荷物の出し入れ口に置いて最初にカーゴに乗せて移動してくれます。(必ずしてくれるとは限りませんが…ダメ元で言ってみるといいかもしれません)
ヨーロッパ系の航空会社は、通常、乗り継ぎ便の搭乗券も同時に発券してしまいますので出発の搭乗ゲートに時間までに移動するだけで済みます。
ただ稀に自分のスーツケース等が出てこない場合があります。(これはツァーでもあります)その場合に備えて貴重品や1日過ごせるくらいの身の回り品は機内持ち込みの手荷物に入れておくのが良いと思います。

どの航空会社を選ぶかは料金やマイレージサービス、好みなどの要素があるので一概にどの航空会社がお勧めとかは言えませんが一般に日系の航空会社は少し高めです。
ただ、地方の方で成田や関西空港に移動する必要がある方は日本での移動航空券が格安或いは無料で貰えることもあるようです。
他にもアジア系や中東系の航空会社もありますが、時間や本数を考えると時間に余裕のある学生さん向きかもしれません。
ボクがパリで出会った学生さんは、パキスタン航空で20時間かかって到着した、それも成田で予約した便が欠航して実際に搭乗した便は3日遅れだったそうです。(大笑)
さて、これで何となく航空券を購入する方法はわかったと思います。

by“よっぴ”

2014年02月18日

第66回 カソルラ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今回は21万平米を超えるカソルラ山脈=セグラ山脈=ラス・ビリャス山脈自然公園の豊かな自然に囲まれたカソルラのパラドールです。

第66回カソルラCazorla
名称Parador”El Adelantado"前進のパラドール

ハエンから約100km、Cazorla山脈に張り付くような同名の町に入る。この町(村)は城の塔が聳え、古い家屋に囲まれた二つの小さな広場。断崖にへばりついた急峻な道と階段があり独特の景観を作り出しています。この村から険しい山道を24km入った標高1400mの断崖絶壁に1965年パラドールが作られました。

アンダルシアを流れる大河、グアダルキビル河の源流となるこの地は多くの水源に恵まれ、深い森林には鹿、山羊、猪、ワシなどたくさんの動物が住み、登山やハイキングも盛んな地域です。パラドールから5kmほど下ったところに源流の一つエレリナスの泉があり、イサベル女王がアルハンブラに攻め入るときにこの泉を渡り、そこからパラドールの名称「前進El Adelantado」が付けられました。
この自然を守るために21万haにも及ぶ広大な自然公園の中に唯一軒だけ建築を許された建物がこの瀟洒な山小屋風のリゾート型パラドールなのです。

宿泊する客は圧倒的にスペイン人が多く全体の80%を占め、日本人は全体の2%以下、他は狩猟愛好者の仏、英、独人が多いそうです。ヨーロッパ人はクルマで行く人がほとんどですが、日本人のようにパラドールに行く手段の無い人のためには、その場合には町まで迎えに行くことも出来るので日本から行く人は問い合わせて欲しいとのことでした。高地の為、4月から利用が増加し、6〜9月がピークでまた下降線をたどり11月中旬〜2月の冬季には閉館期間があります。このパラドールに住むディレクターの家族も冬場には実家に戻るそうです。

町から離れたところにあるためにパラドールでは4X4を使った5種類のExcursionを用意していて10:00,16:00の2度各4時間をかけて動物を見るコースを2種、景色を楽しむコースを2種、そしてそのMIXのコースを1つと滞在客の希望で行います。またレンタカーも近くにあり、日本のSuzuki Vitraが用意されています。プールのある大きな庭には食材の残りを入れておく場所があり夕方5〜6時頃、鹿などの動物がこの餌を食べに来るのを観ることができます。また野生のヤギを崖の上などに見ることもあります。
鹿の交尾の時期である9月頃には牡鹿が牝鹿を呼ぶ声が静けさの中に響きわたります。
このパラドールは家族連れが多いため子供の遊び場もあり、長期の宿泊希望者も多いそうです。


*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

このコーナーではスペイン旅行で気づいたこと、素敵な田舎町などスペイン旅行をなさる方に何か参考になればと思って書いてきましたが、個人旅行そのものが初めてで、ホテルや航空券、バスの乗り方と言った基本的な問題についてこれからしばらくは個人旅行のノウハウみたいなものについて少し話してみたいと思います。
ここでの個人旅行というのは独りぼっちの旅と言うわけではなく、パッケージ旅行では物足りない、特別に行きたい美術館がある、パラドールのような特別なホテルに泊まりたいというようなひと味違った旅行をしたいという個人を含めた小グループの方へ少しでもお役に立てればと思っています。
ですから、特別贅沢な旅行をするということではありませんし、かといってバックパッカーの方の為にいかに旅行を安く上げるかということでもありません。
モチロン、このイベロ・ジャパンのホームページをお借りして書くのですから、パラドールも含めたスペイン旅行を想定して書きますが、他の地域にも共通する部分もあると思いますので参考にして頂きたいと思います。

個人旅行No1
☆ 航空機について

個人旅行で最初に考えなくてはならないのは行き先を決めて航空券を購入することから始まりますがチケットは何処でどのように購入するのでしょう。
ヨーロッパへの正規航空運賃は70万円以上します、これはビジネスクラスでなくエコノミーです。ビジネスクラスでは100万円以上、ファーストクラスでは何と250万円以上します。 ここで「ひぇ〜それじゃあ個人旅行なんてとても無理だ!」なンて言わないで下さい。これはあくまでノーマルな航空運賃で実際にこの料金で飛行機に乗る人はお金持ちか高級ビジネスマンか税金で乗れる議員や公務員の人たちだけでしょう。
通常私たちが旅行で使うチケットはいわゆる格安航空券というものでシーズンや航空会社によってばらつきはありますがヨーロッパ往復で10万円〜25万円位でしょう。
安いのは冬場など旅行客が少ないとき、高いのは正月やゴールデンウィーク、夏休みと言った旅行客が多いときです。
この格安航空券というのはいわゆる団体割引の航空券をバラ売りしたもので、各航空会社も黙認するというよりもこの航空券を売らないことには経営が成り立たないようになっています。ではここで少し正規航空券と格安航空券との違いを考えてみましょう。

私たちが格安チケットで乗る場合は、大抵はエコノミークラスのシートです。
ですから正規航空券=ビジネスクラスと思われる方も多いと思いますが、正規チケットにもエコノミーとビジネスの違いはあるのです。
正規航空券のメリットとすれば、第一に「いつでも、どの航空会社でも乗れる!」ということがあげられます。
格安チケットの場合ですと行き帰りの日にち&航空会社が決められてしまうのが普通です(帰りはオープンの場合もあります)が正規チケットの場合は飛行場に行って、座席さえあればIATAに所属する航空会社のどの便に乗ってもヨイのです。
それに行き先がマドリッドであってもローマ、チューリッヒ、パリ、ロンドンと途中降機も出来ます(戻れないなどの一定のルールはありますが)
通用期間も格安チケットが原則35日間に対し1年間有効です。

最近はPEX(正規割引運賃と言われるもの)が主流で、いわゆる団体割引のチケットをバラ売りした格安航空券はほとんど出回っていません。
これは少しでも航空券を高く売りたいという航空会社が自社で売れるように個人向けに売り出したもので、旅行会社間での運賃の差があまりないように、また運賃の額が航空会社主体で決められるようにッとの思惑から格安航空券とほぼ同じ条件で航空会社が正規割引航空券として売り出したものです。
したがって、正規割引運賃にも格安航空券と同じように期間や購入・発券の期限やキャンセル時のペナルティーなど様々な制約があります。そして、条件が厳しければ厳しいほど料金が安くなる仕組みです。
利用者にとってはPEX運賃も格安航空券と料金、条件などほぼ同じなので、今までの格安航空券と同じものと思って構いません。
ただ、航空会社が料金を決めるので、どの旅行会社で買っても料金はほぼ同じとなり、安い旅行社を探す手間は要りません。 旅行社間よりも利用するエア(航空会社)の違いの方が料金の差が大きいのです。

また、割引運賃の客だといっても、航空会社にとっては大事なお客様ですから万一、乗る予定の便が欠航になってもスグに他社便を振り替えたり、次の便の座席の確保に努めます。 しかし、正規の割引のない客が最優先なのは間違えなく、格安チケット(PEX)の客はオーバーブッキングと言われて乗れないこともあります。
正規運賃を払うと、航空会社によっては自宅までハイヤーで迎えに来てくれたり、到着空港に迎えに来てホテルを一泊提供してくれるなどのサービスもあります。
正規のエコノミーチケットの場合でも(70万円も出すのですから)アップグレイドしてビジネスクラスの座席に案内してくれることも多いようです。 モチロン機内では広いシートに高級な食事ですね。
ただ、50万円もの差額を払ってビジネスクラスに乗るかはその人の価値観の違いですから非難することではモチロンありませんが…。
最近はこの格差を解消すべく??航空各社も(プラス10〜15万円位で)格安のビジネスシートを提供するようになってきています。これは座席だけ(或いは食事も)ビジネスであとの制約(航空会社が決められている、出発日の変更やルートの変更が出来ないなど)はあるというものです。

格安航空券のデメリットは当然正規航空券メリットの逆です。
では、これは本当にデメリットと言えるでしょうか?
普通私たちが旅行をするときには出発の日にちや行き先は決まっているものですし1年もの長い間旅行するということも先ずないでしょう(以前ミラノからデリーへの機内で隣り合った南アフリカの新婚さんは1年かけて世界一周の新婚旅行をするといって一年の世界一周のオープンチケットを持っていましたが…)。
空港の送迎やホテルのサービスも運賃の差額を考えれば同じ事を旅行代理店に頼んでも安いモノです。一番の差は座席でしょうがこれは前述の格安ビジネスシートもあります。

オーバーブッキングではじかれてしまう恐れも早めにチェックインを済ませてしまえば降ろされる心配はありません。アトから来た正規料金の客のために席を譲ってくだされば「ホテル代+300$+明日の便を確保する」とか言われることはありますが…(笑)
これで格安航空券(PEX)を利用することに不安を抱いていた人にも少しは安心して頂けたでしょうか? つまりホトンドの乗客は格安料金(PEX)のお客様なのです。

さて次はこの航空券の購入と利用の仕方ですが、「そんなのは旅行会社に行って出発日と行き先を言えばいいンだろ?」って確かにそうなんですが…。

航空券の購入は原則として出発の4日前までに購入する必要があります。 3日前になると一度航空会社に戻してしまうので購入しにくくなります。

もちろん出発日が決まればなるべく早く購入したほうがヨイと思います。ツァー客が多い場合など満席でチケットそのものが手に入らない場合も多いですし一般には早く予約をした方が安いと思います。(45日前までに購入した場合安いなど…)
 ただ、あまり空席が多いと見込まれる場合は出発直前に値下がりする場合もあります。(時間の制約の少ない学生さんたちはこのようなチケットを狙うこともできますが…)

さて行き先がスペインに決まったとします。ではどこのエアラインを選べばヨイのでしょうか?
スペインには現在、日本から直行便が飛んでいないので一度ヨーロッパの何処かの国の空港を経由して入国しなければなりません。これはJALやANAなど日本の航空会社もKLMや英国航空エア・フランスなどのヨーロッパの航空会社も同じことです。
ただ、JALやANAはロンドン、パリ、フランクフルトなどの乗り換え(トランジットと言います)空港からは他の提携している航空会社を利用します。
したがってヨーロッパの航空会社を使った場合は乗り換え分の搭乗券も日本で一緒に発券して貰えますがJAL、ANAの場合は通常乗り換え空港でもう一度、提携他社便の搭乗券を発券してもらう必要があります。また、場合によっては、日本で機内に預けたスーツケースを一旦受け取り、再び預け直すこともあります。(パスポートチェックはシェンゲン協定の国(大部分のEU加盟国)では乗り換えの空港で行いスペインでは行いません、逆に出国の場合スペインで出国審査を行い乗り換え空港では行いません)ただし、ロンドン乗り換えの便は注意が必要です。イギリスはEU加盟国ですがシャンゲン協定には入っていないため、スペインで入国・出国審査があります。このシェンゲン協定ですが、2013年7月にルールが改正されたので、複数の国を周遊するときや頻繁にヨーロッパを訪れる方は注意が必要です。http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html(外務省の渡航関連情報より)

次はスペインに入国するときの空港です。マドリッドとバロセロナを利用する旅行客が圧倒的に多いのですが他にも利用する航空会社にもよりますがマラガ、ビルバオといった国際空港を利用することができます。1回乗り継ぎで行けるのはエールフランス航空ですが、曜日によってはルフトハンザ航空やフィンエアーも使えます。
ただ、この場合時間的に都合の良い繋ぎの便があるかどうかは航空会社によって違ってきますので旅行代理店や航空会社に調べてもらいましょう。
モチロン、入国と出国の空港を違えることもできます。(オープンジョー)

もし貴方が少し長めの休暇が使えて、フランスやイタリアも回りたい(或いは短い休暇でも、どうしてもパリに寄りたい、ローマで観光をしたい)という希望があればその希望する国のナショナルフラッグ(この場合エア・フランスやアリタリア・イタリア航空)を使えば可能です。通常これらヨーロッパ内の移動でも片道で5万円程かかってしまうのですが、これらのナショナルフラッグを使えば両方の国が観光出来てしまうのです。
つまり「エア・フランスを使って自分はスペイン旅行をする。入国の空港はマラガ、鉄道、レンタカーなどを使って出国はバロセロナからだが、帰りにちょっとパリに立ち寄る」という(ストップオーバーと言います)ふうにします。
本来、日本からヨーロッパへは原則として同じ料金なのです。ですから日本―パリも日本―パリ―マラガでも同じ料金なのでパリーマラガ間のチケットは無料ということになります。ただ、最近は航空会社もセコクなってきて、航空券にいろいろ制約をかけて乗継便の航空料金を追加したり、ストップオーバー手数料などと称して料金が高くなる場合が多いようです。しかし、この場合でも自社便もしくは提携航空会社の便で繋げれば片道5,000〜10,000円程度(エールフランスの場合)なので、バラバラに航空券を買うよりはずっとお得なので自由旅行で時間が取れる方はこの制度を利用しない手はありません。
逆にフランス国内を旅行した人が観光の途中(或いは帰り際でも)マドリッドに飛びトレドのパラドールに泊まるだけで帰るということも出来るのです。
スペイン旅行の帰りにパリ観光(エア・フランス)やローマで買い物(この場合はアリタリア航空ですね)も出来るのですから…。
さて万一飛行機が遅れて乗り継ぎ便に間に合わなかったときはどうしましょう?
これは次回に…

by“よっぴ”


2014年02月12日

第65回 マンサナーレス

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日は前回のアルマグロの近くにあって、マドリッドからアンダルシアに向かう国道4号線の丁度中間地点に位置するラ・マンチャの大平原の中のオアシスのような存在のパラドールを紹介しましょう。

第65回マンサナーレスManzanares
名称Parador de Manzanares マンサナーレスのパラドール

このパラドールは昔マドリッドとアンダルシアの町を行き来する商人などの旅人達が利用していた国営の宿「アルベルゲ」が改装されてパラドールとなったものです。ですから、大平原を通る国道から柳並木を入って行った、林の奥にあるパラドールの建物自体は特に特徴のあるものではありませんが、エントランスの植え込みやこの地方特有の白壁に赤茶の瓦の組み合わせが上品でパラドールらしい落ち着きを見せていると言えるでしょう。玄関前のターミナルには昔からの農機具や荷車が飾られていて、いかにも農業の盛んなラ・マンチャ地方のパラドールだと思わせます。

内部のインテリアも落ち着きのあるシックな自然素材を使って落ち着きとゆとりが感じられる空間を演出しています。レストランも煉瓦タイルの床に白い壁で広々としています。

国道から近いこともあり、一般客がドライブ・イン代わりにランチに立ち寄ることが多いので一般のメニューの他に均一料金で自由に好きなものが食べられるバイキングメニューを用意していて、食事に立ち寄るほとんどの客はこのバイキングのコースを選択するそうです。料理の種類も非常に多く、デザートまで揃ったバイキングメニューは非常に人気が高く、わざわざ此処の料理を食べに来る人も多いのです。

部屋数もアルベルゲにすると多い方で、豪華ではないけれど、ゆったりとした部屋の作り、落ち着いたサロンは何もしないで観光疲れの身体を休ませるのに絶好のパラドールかも知れません。

また、近くに野生の鹿や猪などの動物や鳥の宝庫となっているダイミエール国立公園があります。普段はバードウォッチングなどの自然を楽しむ観光客が時折訪ねる静かな公園ですが、狩猟の解禁時期には狩猟許可の料金を払って野鳥、うさぎ、鹿、猪などの猟をするために、スペインのみならず、狩猟の盛んな英仏はじめヨーロッパ各地から多くのハンターが集まってきて、この静かなパラドールもとても賑やかになります。そう言えば、サロンには幾つもの鹿の角が飾られていました。


☆ サッカー(フットボール)

スペインで人気の高いスポーツと言えばテニス、ゴルフ、狩猟、スキーなど沢山ありますが中でも一番人気があり、世界でも最強を誇るスポーツと言えばサッカーでしょう。
今シーズン(2014年1月現在)はもっとも人気の高いバルセロナとレアル・マドリッドに加え絶好調のアトレチコ・マドリッドの3チームが優勝を争っています。
スペインリーグでは、プリメーラ・ディビシオン (1部リーグ) 20チーム、セグンダ・ディビシオン (2部リーグ)は 22チーム、セグンダ・ディビシオンB (2部リーグB、実質3部相当)は 4グループで各20チームあり、テルセーラ・ディビシオン (3部リーグ、実質4部相当)は 18グループで各20 - 22チームもあります。 その下にも、ディビシオネス・レヒオナレス(5部以下に相当9部まであるらしい)があり、どの町にもサッカーチームがあると言っても過言ではありません。

主な試合には国内リーグ戦(リーガ・エスパニョーラ)の他、国王杯(コパ・デル・レイ)、スーペルコパ・デ・エスパーニャ(前シーズンのリーグ戦優勝チーム対国王杯優勝チームで行われるカップ戦)があり、その他、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに出場したうえ、ワールドカップの予選など自国の代表での試合にも召集され、ゲーム数が多いのでスペインリーグに所属するスター選手達は大変に忙しいのです。
特に人気が高いのはレアル・マドリードとFCバルセロナとの「エル・クラシコ」では海外からも多数のファンが集まり、地元のクラブチーム同士が激突するダービーマッチでは町中がお祭り騒ぎになります。

ところで、バレンシアのチームは試合前の合宿をエル・サレールのパラドールで行うそうです。 バレンシアのファンの方はエル・サレールのパラドールに泊まっては如何でしょう?
もしかしたら2ショットで写真が撮れるチャンスがあるかも…。

by“よっぴ”

2014年02月05日

第64回 アルマグロ

はろはろ!こんにちは〜!“よっぴ”の「パラドール紀行」です。
マドリッドから出発して、アンダルシアのグラナダ、或いはコルドバに向かう観光客は大勢居ますが、その丁度中間地点ラ・マンチャの大平原の中心にチョット立ち寄ってみたい町があります。そこには重厚な修道院を改装したとっても素晴らしいパラドールがあります。それが今日紹介するアルマグロのパラドールです。

第64回アルマグロAlmagro
名称Parador de Almagro

アルマグロはスペインでも一二を争う美しいマヨール広場を持つと言われています。
整然とした長方形の広場を囲んで両側に、一階部分は石柱が並んだアーケードを作り、2,3階は緑と白に塗り分けられた木枠の窓が並ぶ三層の建物が向かい合っています。たくさんのレストランやバルが並び、夜になると何処からともなく大勢の町民が 集まって来て深夜まで賑わいます。このマヨール広場から歩いて数分、16世紀の聖フランシスコ修道院を改装したのがこのパラドールです。

古僧院をそのまま使った部分に僧院の畑だった所を使って増築した部分を合わせると約20000平米。その中に55の客室と14のパティオがあるいう贅沢な作りなのです。部屋の扉は厚い木製で、家具もアンティークな趣をもったものを使用しています。昔の酒造庫を改造した "Bodega"(酒造)と呼ばれるBarには大きなワイン用の瓶がデコレーションとして使われています。

部屋の腰壁にはタイルが張られ、とてもエレガントな雰囲気を醸し出しています。玄関に近い一つのサロンではAlmagroの民芸品レース編みを地元のおばさんが実演販売していました。日本にも紹介されたそうで自分の載っているNHKスペイン語講座のテキストを得意げに見せてくれるでしょう。

アルマグロは13世紀から15世紀末までレコンキスタのために戦ったカラトゥラバ騎士団の本拠地となり、また1574年から1828年までは大学も置かれていました。このような歴史もある町で修道院も多く建てられ、町中も立派な紋章で飾られたファサードの邸宅が立ち並んでいます。
マヨール広場近くの小さな公園には、この地出身のディエゴ・デ・アルマグロの騎士像が建っています。コンキスタ・ドールとしてピサロと共にインカ帝国を滅ぼし、チリ総督になりましたがピサロに殺されてしまいます。

マヨール広場を囲む建物の中間部分に芝居小屋(Corral de Comedias)があります。この劇場は16世紀の建物で紅く塗られた木の柱廊にオイルランプの灯り、舞台とすべて紅と白とが調和した美しい青空天井の劇場です。現在も立派に使用されていて、毎年8月には現代演劇フェスティバル、9月には国際古典劇フェスティバルが開かれ、世界各国から演劇ファンがやってきます。
通常なら夏のアンダルシアは暑いので比較的空いているのですが、この時期には当然ながらパラドールは予約で溢れ、半年以上前の予約が必要だと言います。


☆ piso(ピソ)マンション

ピソとは建物の階のことを指しますがマンションもピソと言います。
地方では一戸建ての家も多いのですが都会ではやはり住まいはマンションが主流です。
日本では築何年とかが売買時の値段を決めるのに大きな要素となりますがスペインではあまり関係がナイようです。もっとも百年二百年前の建物を使って住んでいるのですから、そこでの十年や二十年など取るに足らないことなのでしょう。
しかし外観は百年以上前の建物でも中に入ると驚くほど立派で設備も充実していることが多いのです。このことはパラドールにも通じることなのですね。
都会の大きなピソだと玄関を開けるとロビーがあって、そこには管理人が居たりします。
そしてエレベーターに乗り自分の部屋に行くわけですが、日本のマンションよりもホテルと言った感じです。

最近は日本でもオートロックとか外部の人間がやたら出入り出来ないようなシステムになっていますが、さすが?スペインでは防犯には注意していて自分の家に入るのに最低で二つの鍵が必要です。つまり建物に入る時と自分の部屋に入るときです。
これに大抵の家では玄関の鍵は二つ付いていますし、エレベーターも鍵が必要だったり、郊外のマンションだと敷地に入るための鍵、駐車場の鍵、それにプールの鍵、クルマの鍵と鍵だらけです。それも割と大きく無骨なモノが多いですからまるで守衛が持つような大きな鍵束のようなキーホルダーを持っています。(ちと大げさか)
来客がある場合は勿論建物の外に設置されたインターホンで呼び出して開けて貰わなければなりません。
広さはやはり都会は狭く、郊外に行くと広くなりますが、町中でも普通の家で約100から120平米くらいあり、日本よりもだいぶ広いようです。それにその広さ以上に天井も高いのでゆったりとしています。値段は日本の半分以下です(最近は価格も高騰してそれほど安くはないとも言いますが…)。
郊外には日本でも最近多いタウンハウスタイプの住宅がありますが、それも敷地、広さとも日本とは大分違うようです。

スペイン人の弁護士と結婚されてスペイン北西部ア・コルーニャに住むIさんのお宅にお邪魔する機会がありました。
ア・コルーニャは大都会ですがその町の中心地からクルマで15分程、まるで別荘地のような静かな松林の中にIさんの家はあり、購入したときの価格は約3500万円、隣の家とは背中合わせのタウンハウスタイプの住宅ですが、それでも敷地は1軒あたり300平米、住居も地下を含めて300平米近い大邸宅でした。
このように恵まれた住環境のスペインですが、都会に出てきて働いている若者の多くは生活が苦しくて、(特に入社1年目は試用期間として給料も特に安いのです)狭いピソを数人共同で借りて暮らしていることも多いそうです。

by“よっぴ”