第75回 サモラ
はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日はサラマンカの北約60kmサモラ県の県庁都市サモラからです。県庁でいながら人口はわずか7万人足らず、古い小さな田舎町という感じの町ですが、この小さな町には、何とロマネスク教会が16もあるというのです。ロマネスク教会に興味のある人には何ともたまらない町でしょう。
第75回サモラZamora
名称「Parador "Condes de Alba y Aliste"」アルバとアリステ伯爵のパラドール
マドリッドから250km、タルゴで3時間、サモラ県の県都ドゥエロ川沿いの美しいサモラの町に着きます。県都とは思えないほど落ち着いた小さな町です。この町の中心地ビリアート広場に面してパラドールはあります。15世紀に旧ローマ帝国の城塞跡にアルバ伯爵、アリステ伯爵の館として建てられたもので、後に巡礼者の宿泊所、孤児院として使用されていたものが1968年よりパラドールとして開業されたものです。
部屋はかなり広くて、木の床と窓に取り付けられた大きな木の扉がゆったりとした落ち着きを与えてくれます。パティオに面した石造りの広い回廊には木枠の美しいガラス戸がはめられ広い回廊はサロンとして利用されているのです。夜、光がともると中世の雰囲気をかもし出します。又、2階のこの回廊もとても広くて、開放感に浸れる空間を生み出しています。
宿泊客の65〜70%はスペイン人。残りの三分の一は、ドイツ人、イギリス人、フランス人、オランダ人、スイス人で占められます。
パラドールの周りの旧市街は出窓が特徴の落ち着いた町並みがが続き、ドゥエロ川の流れが見下ろせる公園と絶好の散歩コースがあります。小さな町なので小一時間で廻れてしまうでしょう。
ビザンティン様式のドームを持つカテドラルは12世紀のもので周りを古い城壁が囲み、広場となっていて市民の憩いの場となっています。また、パラドール北側のすぐの場所にスペインでも珍しいセマナ・サンタ美術館があります。
ドゥエロ川に沿って東に20km程行くとカスティージャのオアシスと呼ばれる美しい町「トロ」があります。「トロ」とはスペイン語で雄牛のことですが、それがこの町と何か関係があるのかは分かりません。
*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*
個人旅行No10 「国内の移動手段2」
「バスの旅」
スペインを個人で周遊するときに最も安価で便利な乗り物は「バス」でしょう。
特に日本人に人気のあるアンダルシア地方においてはバスの利用は欠かせません。
セビージャ、コルドバ、グラナダ、マラガといった主要都市間はほぼ1時間ごとに便がありますし、それも高速道路で結ばれているので非常に早くて快適です。
バスターミナルは大体町の中心地にあって(鉄道駅は町外れが多い)とても便利です。
長距離バスの場合は予約も出来ますから、乗車前日にバスターミナルに行ってバスの時刻表を見て予約をしてしまいましょう。 近距離のバスでも時刻表はときどき変わりますから乗車前日にでも確かめておきたいものです。
特に土日祭日にはバスの便が極端に少なくなる場合があります。
切符の購入は列車と同じように紙に目的地、時刻、人数などを書いて見せるのが良いでしょう。(英語は鉄道駅よりも通じません)
近距離バスでもミハスやコスタ・デル・ソルと言った有名観光地にはかなりの本数が運行されていますが、小さな田舎町などではバスの便は朝1便に夜1便というようにホトンド利用出来ない場合もあります。こんな場合にとても便利な旅の味方が「タクシー」なのです。
「タクシー」
スペインで個人旅行を如何にスムーズに出来るか? この「キーポイント」になるのが「タクシー」だと思います。
日本でタクシーに乗ると言えば地下鉄やバスに比べて割と贅沢な乗り物と思われています。
スペインでも同じことは言えるのですが、料金がとても安いので荷物が多く、時間が貴重な旅行者には最適な移動手段なのです。
基本料金だけをみれば日本のほぼ5分の1、その他人数割りまし、荷物料金(一個につき)、荷物の積み卸し料金、深夜料金、渋滞、区域外での料金、特別な地域(空港など)での割り増し料金がとても多く、それに運転手へのチップなどがかかりますが、それでも日本のタクシー料金の半分以下です。
それに個人タクシーが多く、違法行為に対する罰則が激しく、客からの苦情などでスグに営業停止などの処分となるので(イタリアのような)ボッタのタクシーはほとんどなくて安心して利用できる乗り物と言えましょう。
国民性としても、明るくて、とても優しく親切な運転手が多いことも付け加えておきたいと思います。
マドリッドやバルセロナ市内は勿論、バス路線の少ない町の移動など旅行者の足としての利用価値大です。
しかし、もっとタクシーの威力が発揮するのは日本ではあまり考えのつかない中長距離での利用だと思います。
例えば、日本からマドリッドに到着するのは大抵の航空機では夜の八時〜十時頃でしょうか。
当然夜も遅いということでマドリッドの市内のホテルにはタクシーで移動します。
(この場合、バスでの移動などは安全面から言っても論外なのです。治安については後ほど述べたいと思いますが、旅行者が一番狙われるのは空港からのバスターミナルなどで、タクシーを探したり地下鉄の乗り場を探したりと荷物を抱えてウロウロしているときが一番危ないのです。現地に住む日本人ですら空港からは一直線に自宅までタクシーで帰るのです。このように安全面から言ってもタクシーの利用価値は高いのです)
空港から市内のホテルまで30€、ホテルでゆっくり休んで次の日に備える。
それはそれでとても良い方法だし、ごく普通のパターンです。
では元気な方、思い切ってトレドのパラドールまで行って泊まってしまうという考えは如何でしょうか?
空港から100km、東京―熱海間を高速でぶっ飛ばして1時間ちょっと、これが何と約100€で済んでしまうのです。
特に到着が金・土・日の週末ならば即、ライトアップされたトレドの街を眺めながらのスペイン最初の夜を迎えることが出来るのです。
この方法はモチロン、日本からマドリッドに到着したときだけではありません。
例えばバルセロナまたはセビージャから飛行機やAVEでマドリッドに到着して、トレドに向かうことを考えたとします。
普通はマドリッドの南バスターミナルに移動してバス、またはアトーチャ駅でトレド行きの列車に乗り換えトレドへ。トレドからタクシーでパラドールに行くことになります。
空港―(タクシー)市内―(バス)トレドー(タクシー)パラドールを止めて、空港から一気にパラドールまで直行してしまうのです。これだけの手間や時間が節約出来て約100€。
それも実際に費用が増えるのは差額だけなのです。
逆にスペインでの最終日の前日にマドリッドでなくトレドやチンチョンのパラドールに泊まり、空港に直接行くこともタクシーを利用できればそれほど面倒でも難しいことでもありません。
言葉の問題もあるので多少難しいかもしれませんが、行く場所を指定して(途中に見所があればそれも観光して)観光地での待ち時間を含めて、出発地に戻ってきて幾らとか決めることも可能です。
この場合は目的地、観光時間、料金などを紙に書きながら交渉するのが良いと思いますが、パラドールでおよその料金を聞いてタクシーの運転手と交渉してもらうことも出来ます。
この方法で大きな移動は飛行機や列車で行き、目的地に着くとエクスカーションも含めてタクシーを半日100€とか、1日200€とかでチャーターして観光している人も実際にいます。
運転手が道を良く知っているのはモチロンですが、観光ポイントには必ず止まって下車したり、写真を撮ってくれたりするでしょう。時間に追われることなく駐車も荷物の盗難の心配もせずに、言葉はホトンド通じなくても笑顔での交流はきっと想い出深い旅行になると思います。
これで、スペインでの個人旅行をスムーズに安全にするためには、如何にタクシーを利用するかがキーポイントになると言ったことがご理解頂けたでしょうか?
by“よっぴ”