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第77回 シグエンサ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日はマドリッドの北東約140km列車で1時間半というパラドールとすれば比較的便利な、それでいて非常に素晴らしいシグエンサのパラドールを紹介しましょう。スペインでの滞在を1日延ばして、このパラドールに泊まるだけでもとても印象の深い旅となることは間違いありません。

第77回シグエンサSiguensa
名称「 Parador"Castillo de Siguenza」シグエンサ城のパラドール

カスティージャの荒々しい大平原の小高い丘の上に建つ古城がシグエンサのパラドールです。マドリッドからも近くて、電車でもクルマでも1時間半で行くことができる、とても人気の高いパラドールなのです。
この堂々とした中世の古城は6世紀の西ゴート族が築いた砦から歴史が始まっています。1123年に建設が始まり前世紀末まで司教、枢機卿の住居となっていました。城主が王様や貴族でなく歴代の司教というのは非常に珍しいことなのです。また19世紀にはスペインに侵攻してきたナポレオン軍の司令部としても使われてきたという歴史があります。がっしりとした城門から中庭まで、建物の全てが堅固な石の固まりを感じさせます。その冷たい石の感じを和らげるために、中庭の植え込みやいたるところに置かれた観葉植物、そして暖かい木製のアンティークな家具や扉が尚一層この建物の重厚さを感じさせるのです。

     シグエンサ城                        パラドール中庭
     楼閣                              礼拝堂

王侯貴族の雰囲気の漂う古城なのに、司教が城主だったということからなのか、このパラドールには美しい礼拝堂があり、現在でも多くの結婚式が執り行われるということです。モチロン、日本の方の結婚式も喜んでしましょうとディレクター氏は言っていました。

このお城はペドロ残酷王がフランスから来た花嫁ドーニャ・ブランカを幽閉した城として有名で、その幽閉されたとされる小さな朽ち果てた部屋があり(公開していません)、それに隣接した結婚式のパーティなどに使われるコンベンションホールには「ドーニャ・ブランカの間」という名前が付いているのです。この「ドーニャ・ブランカの間」では時々中世の王や貴族に扮したパーティが開かれるそうです。部屋のバルコニーからは石の床と植え込みの緑、中央の八角形の噴水の対比が美しい中庭が見下ろせ、三方を広い石壁で囲まれ、重厚な楼閣はまさにこの城の主のような気分にさせてくれます。


      ドーニャブランカの間                 バルコニー

その他にも「王座の間」と呼ばれるサロンや玄関ホール、レストランなどや家具、調度品など、中世の古城の雰囲気をいっぱい漂わせています。

       玄関ホール                    サロン
       バル                         レストラン

シグエンサは小さな町で、坂を下って5分程で旧市街に出られます。食後のひととき、12世のカテドラルやアーケードのついた16世紀の回廊とルネッサンス様式の市庁舎など中世の町の散策をしてみてはいかがでしょう。

       カテドラル                      マヨール広場

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行No12 「国内の移動手段4」
「ツァー」

今回はスペイン国内の移動としての「ツァー」について考えてみたいと思います。
個人旅行なのに何故「ツァー」?と思われる方も多いと思いますが、ここでの「ツァー」とはいわゆる日本から団体で来るスペイン周遊10日間とかいう「パッケージツァー」のことでなくて、マドリッドやバルセロナを起点とした「現地ツァー」のことを言います。
つまり交通の不便な場所や、廻りづらい観光地を効率よく見学出来る現地ツァーをそのまま利用して交通の手段に代えてしまおうということです。
これらの「ツァー」は一般には「パッケージツァー」の自由時間に参加自由な「オプショナル・ツァー」として設定されているものに参加しようというものです。

例えば、ミカミトラベルでは定番としては、マドリッドやバルセロナの半日市内観光や、トレド半日、セゴビア半日、モンセラット半日日帰りツァーなどがあります。
これらのツァーはバスを待つ必要もなく、観光の目的地の側まで行ってくれて開場時間を気にせずに効率よく見所を日本語ガイド付きで廻ってもらえるので時間が無い場合など最適です。(普通トレド、セゴビアは個人なら一日掛かりのエクスカーションです)
それに、このトレド観光の場合には、個人ではパラドールにでも泊まらなければ味わえない展望台からのトレドの全景が見られるのです。
また時間があるときには、最後にトレド名産の象嵌細工の作業所の見学もできます。お土産も売っていますが、トレドの町中で買うよりは少し安いのです。(笑)
その他には、時としてセビージャのタブラオ見学、闘牛観戦、サッカー観戦ツァーなどが組まれることもあります。

これらの日帰りツァーの他に、ホームページを見ていただければ分かりますが、「アンダルシアとバルセロナ5日間の旅」とかグラナダやロンダのパラドールまでもセットされた「アンダルシア・パラドールとバルセロナ7日間の旅」などの現地発着ツァーがあります。
日本からの往復の航空券にこれらの現地ツァーやホテルを組み合わせればもう立派なオリジナルな個人旅行になってしまうのです。
とことんガウディに浸りたければバルセロナのホテルに1週間居ることもできるのです。

また、これよりも多少自由度は減りますが、最近「個人のパッケージツァー」という形態が増えてきました。これは元々「ハワイ」などで移動が少ない旅行に、添乗員が付かないで現地まで個人で来て貰い現地の係員が観光客のお世話をするというものでした。

添乗員などの費用を減らし、各旅行会社も二人からお客を受け付けることが出来るのでツァーの中止の心配もありません。
各旅行会社で申し込んだ観光客は空港で出迎えを受け、ホテルに行き、翌日から他の旅行会社から申し込んだ人たちと団体を組んで行動をするというものです。
モチロン現地では添乗員も付くし観光ガイドの説明もあるので安心です。
「なんだ、それでは普通のパッケージツァーと同じじゃあないか!」と言われるかもしれません。確かにその通りなのですが、申し込みはそれぞれの旅行会社なのですから帰りまでも同じ行動を取らなくてもいいのです。
つまり、旅行会社に最後のバルセロナに3泊延期したい。マドリッドに3日前に行ってトレドのパラドールに泊まってプラド美術館もゆっくりと見たい!などを希望して自分だけの「アンダルシア8日間の旅+バルセロナガウディ三昧3日間」とか「豪華周遊スペイン10日間の旅+カナリア周遊パラドール5日間」「サンティアゴ巡礼7日間+マヨルカ島3日間」などオリジナルな旅が幾らでも作れるのです。
モチロン旅行会社が引き受けてくれて帰りや行きの航空券を確保してくれることが前提ですが大抵は少しの手数料で引き受けてくれるハズです。
モチロンこのパッケージツァー以外の自分で付け加えた部分の旅行に関しては個人旅行と同じで自分の責任になります。

by“よっぴ”