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2014年07月22日

第82回 バイオナ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今回から3回、ガリシア地方の美しいリアス式海岸に面したパラドールを連続して紹介しましょう。

このガリシア地方は雨も多く、緑が深く、リンゴ園に牧草地と農業、酪農の盛んな地方です。この地方を訪れる旅行者は、きっとそれまでのイメージしているものとは違った別の自然に恵まれた美しいスペインを発見するに違いありません。

今回はバイオナ、1493年アメリカ大陸を発見したコロンブスの船団、3隻のうちの1隻「ピンタ号」はこの海岸に接岸して新大陸発見を知らせたのです。

第82回バイオナ(バヨーナ)BAIONA/BAYONA:
名称「Parador”Conde de Gondomar"」ゴンドマール伯爵のパラドール

ビーゴ湾の入り江の先端、モンテ・レアル岬に建つ城壁の要塞に囲まれた古城のこのパラドールは、三方を海に面し、松林に囲まれたとても景色が良いパラドールです。

周囲3kmにも及ぶ城郭には遊歩道が作られ、広大な敷地には様々な草花や樹木が植えられて散歩する人たちの心を和ませます。

      湾から見るパラドール            岬を巡る城壁

この城はカトリック両王によって16世紀始めに建てられたもので、町の総督が住んでいました。パラドールの建物はこの石の城壁の中にガリシア地方の旧領主の館をモデルにこの地方独特の建築様式で建てられたものです。

このパラドールでは、この静けさと安らぎを守る為に、工夫がされています。

最初にこのパラドールに入るときには、クルマは大きな石の城門を通らなければならないのですが、そこには守衛が居て5EU(歩行者は1人1EU)を支払わなければ通行できないのです。パラドールの宿泊者も同様に通行時に5EUを払うのですが、領収書と引き替えに後で返してくれるのです。こうして観光客がやたらに入れないようにして、静寂を守るようにしているのです。

        エントランス                 城壁・パラドールの入り口

        サロン

       回廊のサロン                   朝食用レストラン

客室は122部屋有りパラドールとしては大きい方ですが、とても人気が高くて7月〜10月は非常に込み合います。部屋は眺めも良く、とても広く清潔で美しい。 パティオに面している45部屋以外は全て海に面しています。

          部屋                      パティオ

特に素晴らしいのがオリジナルの「寄せ木の床」のサロンでしょう。高い背もたれの付いた椅子に座ってひととき貴族の雰囲気を味わっては如何でしょうか?。


       サロン・オリジナルの床

中庭の回廊に隣接しているバルは、海に面しておりすばらしい景観が得られます。
海を眺めながら泳げる大きなプールにテニスコート、少し長く滞在したいパラドールの一つでしょう。
もちろんガリシアの海の幸、生牡蠣、タコ、イワシなどもご賞味下さい。

名称となっているゴンドマール伯爵とは英国大使を10年勤め、この城で余生を送ったといいます。

           バル                 楼閣の見えるプール             

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行17 基本コース1

さて前回までで、およそ個人旅行の特徴、作り方や楽しみ方がお分かり頂けたでしょうか?
これから具体的に「基本コース」基にしてプラン作りをしていきたいと思います。
もちろん一つのモデルコースとして、そのままの日程でも良いのですが、自分なりの好みで味付けをして頂ければもっと充実した個人旅行が出来ると思います。

「マドリッド・バルセロナ6泊8日」
スペインで何処に行ったの?と聞かれて返ってくる答えの十中八,九はマドリッドとバルセロナでしょう。フランスのパリ、イタリアのローマと同じように国の玄関口であり、観光客が多いのは当たり前なのですが、パリはパリ、ローマはローマなのに、このスペインの二大都市はそれ以上の意味を持っているのです。
これはどういう意味かと言うとマドリッドからは実にエクスカーションが豊富な都市であるし、バルセロナは、ガウディ、ピカソ、ミロ、ダリと言ったモデルニスモの発祥の地として魅力溢れる都市で、どちらの都市も様々な変化に富んだ顔を持っているということなのです。

ツァーと比べて、個人旅行における最大の難点といえば荷物の取り扱いでしょう。
ツァーでは荷物を(バスなどに)預けたまま手ぶらで観光地を歩けるのに対して、個人旅行では大きな荷物を担いだバックパッカーは別としてトランクを引きずりながら観光は出来ないのでホテルに早めに入って荷物を下ろしてから観光に出かけるか駅などのコインロッカーに預けるとかしなければなりません。レンタカーで廻ったとしても駐車場を探したり、車の中に置いてきた荷物が気になって落ち着いて観光が出来ないということになります。
この点、この二大都市だけに宿泊するのならば、町の魅力も或いは周辺の見所も多いので荷物を持って移動をすることなくいろいろなスペインを見ることが出来るのです。

例えば、マドリッド周辺にはトレド、アランフェス、セゴビア、アビラ、アルカラ・デ・エナレスといった世界遺産が沢山ありますし、超特急AVEを使えばコルドバ、セビージャといったアンダルシアの世界遺産までも日帰り圏内にあるのです。
市内だけでもプラド美術館や「ゲルニカ」のあるソフィア王妃近代美術館、王宮を始め小さな美術館、博物館まで入れるとどちらも1週間居ても飽きない魅力を持っています。
ですから、このマドリッド、バルセロナ各3泊ずつを最初の基本コースとしてみました。

第1日目日本―(ヨーロッパ乗換え)−マドリッド
第2日目午前 プラド美術館 ソフィア王妃美術館 午後トレド半日観光
第3日目午前 セゴビア半日観光 午後 王宮など市内観光 夜 フラメンコ鑑賞
第4日目午前 マドリッドーバルセロナ(AVE)で好きな時間に移動
       午後 グエル公園 サダラダ・ファミリア聖母教会 ミラ邸などガウディ
       夜 ライトアップされたバトリョ邸、ミラ邸、サグラダファミリアなど。
第5日目   ピカソ美術館 ゴシック地区 カタルーニャ音楽堂 ランブラス通り
第6日目   コロンブスの塔 (フニクリフニクラ=ケーブルカー)モンジェイクの丘      
       ミロ美術館 カタルーニャ美術館 スペイン村など
       (どちらかの午後)モンセラット半日観光
       夜はバルセロネータでシーフードは如何でしょうか? 
第7日目   バルセロナ―(ヨーロッパ乗り換え) 第8日目―日本
空港―マドリッド市内はタクシーで30EU、空港―バルセロナは25EU位。

さて、モチロン、この逆コースも考えられますが、もしも貴方がスペインを初めてなら、是非マドリッドIN、バルセロナOUTのコースをお勧めします。
マドリッド市内に初めて入り、クルマの窓から眺める、どっしりとした風格のある建物が立ち並ぶ風景に、ヨーロッパの他のどの都市よりも胸にこみ上げる感動があるに違いありません。 そう、このマドリッドの街並みはどのヨーロッパの国の都市よりも豪華で素晴らしいのです。(特に夜間にライトアップされた街並みはことのほか素晴らしい)

バルセロナはとてもお洒落なモデルニスモ発祥の街、旧市街のカテドラルなどとガウディ建築との対比が不思議とマッチする街です。
そして世界一美しいといわれる「ランブラス通り」、此処を歩いていると本当に平和を感じる(たまにスリもいるが…)何日居ても飽きない街です。
バルセロナの街はきっとこの旅行をより想い出深いものにしてくれるでしょう。

もし、もう少し日にちが取れるのだが…っという方にトッピングを。
マドリッドからチンチョンに行きパラドールの宿泊を加えましょう。モチロン移動はタクシーで(60EU位?)
もう一日、チンチョンからアランフェス、トレドと周遊して(90EU位?)トレドのパラドールに泊まるという贅沢な旅もお勧めです。
バルセロナでのトッピングは中世の町ヒローナ、ローマ遺跡のタラゴナの町、それとカルドナの古城のパラドールは絶対お勧めです。

by“よっぴ”

2014年07月15日

第81回 ソリア

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日紹介するのはスペインの詩人「カスティーリャの大地」を歌い上げたアントニオ・マチャードの心の故郷、ソリアのパラドールです。

第81回ソリアSoria
名称「Parador”Antonio Machado”」アントニオ・マチャードのパラドール

ドゥエロ川Rio Dueroの岸辺、標高1050mの高地の町ソリアの鉄道駅からクルマで10分、丘の上のアラブの城塞跡、現在は緑の美しい公園になっている景勝地にパラドールは建っています。レンガ作りの建物は正面から見ると2階建てにしか見えませんが、崖に沿って下に建物が延びているので実際は3階建てなのです。

  ドゥエロ川から望むパラドール            パラドール

玄関を入って先ず驚くのは、そこかしこにアントニオ・マチャードの写真、絵画、詩で館内が飾られていることです。このパラドールの名称になっているアントニオ・マチャードとはアンダルシア生まれの詩人で、この地を愛し、高校の教師をしながら数々の叙情詩を発表していました。代表作には「カスティーリャの大地Campos de Castilla」は彼の最高傑作と言われています。

部屋は白い壁と赤茶色の松材の床や窓枠との組み合わせが外の景色と相まって、落ち着いた空間を生み出しています。

レストランは崖沿いに一段下ったところにあって、断崖の真下にはソリアの町並み、ドゥエロ川とカスティーリャの荒野が広がっているのが見えます。

          部屋                      レストラン

ソリアの町中にはロマネスク様式のサント・ドミンゴ教会、16世紀ゴシック様式の建物で回廊の美しいサン・ペドロ教会、アラブ建築の影響がみられる回廊だけが残るサン・ファン・デ・ドゥエロ、旧石器時代から現代に至るソリアの歴史の変遷をたどるヌマンシア美術館など見所がいっぱいあります。

       ソリアの街並み               マヨール広場
      サン・ペドロ教会            サン・ペドロ教会の回廊
    サンファン・デ・ドゥエロ             サンファン・デ・ドゥエロの回廊

また近郊には紀元前133年ローマ軍侵攻の際、自ら町に火を放ち、自決したといわれるケルト人の町ヌマンシアの遺跡があります。

     ヌマンシアの丘                ヌマンシア住居遺跡

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

「治安」

スペイン旅行で最も多い質問の一つが「スペインは治安が悪いのですか?」というものです。そしていつも回答は同じです「普通に注意すれば大丈夫!」です。
しかし、スペインは本当にそんなに治安が悪いのでしょうか。被害を受けた方には誠に申し訳ないのですが、(日本ではない)外国に於いては、現地の方でもしないような不注意な行動が原因となっている場合が非常に多いのです。
これから述べる注意事項はスペインに限らず多くのヨーロッパ諸国、いや世界中で共通した注意事項で、逆にそんなことを改めて言わなければならない日本だけが特殊なのかもしれません。
もし、これから話す注意事項ですら面倒だ!っと思うのなら旅行を止めるしかないでしょう、今や日本でも同じような窃盗や強盗が増えてきていますから極端に言えば日本に居ても外に出るな!ということになってしまいます。

スペインの大都市、マドリッドやバルセロナでは他の地方都市に比べても盗難が多発していますが、これらの人口の多い大都市で犯罪があるのは当然のことで、パリやローマ、ロンドンでも同じような事件は起きており、特にスペインのこれらの都市に犯罪が多いわけではありません。
最近バルセロナにおける外国人観光客を狙った泥棒やスリの被害にあった外国人はイタリア、英国、フランス、米国、オランダそして日本の順になっているそうです。
被害の8割はスリや泥棒など暴力を伴わない犯罪で、日本人を専門に狙うモロッコ系の置き引きやスリ、パスポートや金銭の窃盗団がいて日本人ツーリストの被害件数が他の国よりも多くなっています。
最近は、在西日本人会の方々とスペイン警察当局による日本人観光客護衛プロジェクトのおかげで一時期に比べれば随分と被害数が減少しているとのことです。

ではこれから具体的に被害に遭いにくい旅行、被害にあっても最小限ですませる方法を考えてみたいと思います。
日本からの観光客の大多数はヨーロッパ各国で乗り継いでマドリッドやバルセロナに降り立ちます。最近はごく一部には羽田を早朝に出発して昼前に到着する便もありますが、ヨーロッパ系の航空会社を利用する場合、多くの便はスペインへの到着する時刻は深夜の場合が多いと思います。ですからスペインに到着したら一早くホテルに入ってゆっくり手足を伸ばして疲れを取ることを考えましょう。

そこで、先ずどんなことがあっても、この最初の1泊目は日本で予約をしておきましょう。
最初の1泊目を予約するということは、空港でウロウロすることで泥棒の標的になることを避けるためで、(両替も出発前か乗り継ぎ空港で済ませ)空港ロビーからは早く離れ、タクシー乗り場からまっすぐホテルに向かうということなのです。(混んでいるからといって、決してそれ以外の場所からは乗らないこと、白タクやボッタのタクシーの場合もあります。)
空港から町に出て、行き当たりばったりで貴重品を身につけた状態のままでぶらぶらと宿探しをするというような事は絶対に避けなければいけません。
さて、スペインでの滞在ホテルですが、少なくてもこの最初のホテルだけはセキュリティのしっかりした、安心感のある3☆ホテル(出来れば4☆)を確保して下さい。

マドリッド、バルセロナでの町散策は「必ず手ぶらで」と言う鉄則を守るためには部屋にセーフティボックスの付いたホテルを選んで貴重品をすべて入れてから外出したいものです。
決して市販の某ガイドブックなどに紹介されている安宿には泊まらないようにしましょう。
それらのホテルは多くが治安上非常に問題のある旧市街の中心地に位置している場合も多いのです。(特にバルセロナの場合)
また、危険だ、高い、からと言って、マドリッドやバルセロナでの滞在期間を少しでも短くしようとして、到着早々夜行バスや列車などで他の町へ移動しようと考える方もいるでしょうが、万一航空機の到着が遅れてバスや列車に間に合わない場合には深夜にすべての荷物を抱えたままホテルを探すという最悪のパターンになってしまいます。
ですから、必ず少なくとも最初の1泊は日本で安心の出来るホテルを予約しておいて下さい。安全を確保するためには多少の出費は必要なものです。

フランクフルト、アムステルダム、パリなどロンドンを除くEU各国の都市での乗り継ぎの場合、スペインの空港でのパスポート・チェックは通常ありませんのでパスポートは確実に安全な場所にしまっておくこと。また荷物を待っている間、あるいは受け取った後も油断せず、常に荷物から目を離さないようにしてください。日本と違って、荷物を置いておけば無くなるというのは世界では常識なのです。
ホテルにチェックインする時も、ホテルのロビー内での置き引きに注意しましょう。
チェクイン後、貴重品はすぐに、ホテル室内のセーフティボックス、なければフロントで金庫に保管してもらってください。決して室内のトランクの中に入れて置かないように。
出来れば4☆のホテルと言ったのはホトンド部屋の中にセーフティボックスが完備されているからで、(部屋にセーフティボックスが無い場合、ホテルのフロントに預かって貰うのには結構手間がかかるのでつい出し入れのあるものは預けずに手元に置いておくという結果になります)何度も出し入れ出来ますのでホテルのフロントに預ける必要がありません。

ではどんな犯罪が多いのでしょうか? 基本的には物取りで、細かい手口は後ほど説明しますがパターンとすれば二つ、窃盗と強奪です。
被害が多いのは色々な手口を使った窃盗(スリや置き引き、車上荒らし、詐欺など)ですが被害の大きさから言えば傷害の可能性のある強奪(強盗、引ったくり)です。
窃盗は比較的人の混雑した道路や観光地で、強奪は人気の少ない裏通りや地下道、或いは深夜、早朝と言った時間帯に狙われることが多いのはお分かりだと思います。
良く、マドリッドやバルセロナなどの大都市を歩く場合、街歩きをする際の基本は、「手ぶら」と言われます。
もちろん、それがベストなんでしょうが、写真も撮りたいでしょうし、地図の付いたガイドブックやハンカチとティッシュ、小さな化粧ポーチ位は持ちたいでしょう。
先日、バルセロナを観光してきた方から観光の心構えとご自分の取った方法の書き込みがありました。

私の格好..布地でできた、軽い安っぽい、小さめのカバンを肩から斜めがけしました。
      これには、テレカ、地下鉄バス回数券、メモ帳、ペン、20ユーロくらいの
      札を入れました。小銭は小さい安っぽい物入れにいれて、ズボンポケットに
      いれました。
      網状の透けている素材のバッグを別に持ち、そこには、ガイド本、水、
      ティッシュ、化粧品、カーデガン、デジカメ、折りたたみ帽子など乱雑に
      突っ込んでいました(笑)。こちらは肩に引っ掛けていることが多かったですね。

これはとても参考になります。よく観光客の格好をするな!とか言いますが、カメラを持って、ガイドブックでも持てば観光客バレバレです。(笑)まあスペインでは観光客も多いので全然不思議でもありませんし観光客に見えていいのです。
ただ、「この客は狙っても金にならないな」と思わせればいいのです。
これでもしスリに狙われてカバンの中を探られても被害は僅かなモノです。
スリは獲物と狙いを定めると必ず後を付けてきます。もし、怪しい雰囲気の人が後を付けているように思われたら、近くの店に入ったりして、そいつがどんな行動を取るか見ていましょう、狙われていると思ったら、店の中でその人が諦めて立ち去るまで待ちましょう。

問題は強奪の方です。怪我を伴いますから…。しかし、これは被害に遭う場所や時間帯がほぼ決まっていますから、その状況を作り出さなければ良いのです。
深夜(早朝も危ないのです)に人気のない通りを歩いて数人の男に囲まれた、地下道で羽交い締めにされた、コロン広場で空港バスから地下鉄に乗り換えるときに後ろから殴られて身ぐるみを剥がされたという話もあります。
要するに君子危うきに近寄らず、このような暴力的な被害の多い場所と時間帯には近寄らないことです。
ただ、オートバイなどで信号待ちの女性のバッグを引ったくるというのは人の多い大通りでもあるようですから信号待ちのときはスリと合わせて注意してください。(車道側にバッグを持たないなど)
要するに、☆スリ対策=貴重品は持たない。☆強盗対策=人の少ない、危険な場所、時間帯を避ける。
この二点に尽きると思います。

タクシーはスペインでは安全にも欠かせない乗り物ですが、乗降時に引ったくりに遭うこともあるようです。降車時に手の中に財布を持ったまま、買い物のバックや荷物をタクシーから出すことに気を取られているからです。降車前に必ず財布をしまいましょう。

万一、被害に遭った場合は警察Policiaに届け出しましょう。
警察には日本語の被害届もあるそうです。
保険の請求もありますし、被害届が無いために、警察がせっかく捕まえた犯人を検挙出来ないことも多いのだそうです。

では最後に最近多い、数人組による知能的窃盗犯の手口を少し紹介します。
まず。相変らず多い手口が「ケチャップ強盗」というものです。
「背中にケチャップが(アイスクリーム)が付いてますよ」とあなたに注意を促し、服をふき取る振りをして、或いは後ろを振り向いたその瞬間を狙って財布やカバンを盗むというもの。見知らぬ人に声をかけられたら周りの人にも注意しましょう。

一人が地図を広げながら「道を教えて!」と言って近寄り、広げられた地図に気を取られている間に地図の下にあったハズのカバンが消えてしまう。

ホテルのエレベーターを待っているとカップルが一緒に乗り込んできて、貴方が部屋の鍵を開けたと同時に侵入してくるケースもあります。周囲に人が居る場合は部屋の鍵を開けるのを待ちましょう。

最近多いのが、偽警察手帳を持った偽麻薬捜査官と偽犯人、犯人役に話しかけられ、そこに警官が現れる。犯人役を取り調べ、次に貴方を取り調べて、持ち物を出させるという手口、この麻薬が偽札になって所持金検査をしたりしますがパターンは大体同じです。
日本人の警察に対する信頼性を利用した手口で、イタリア人には通じないカモ。

by“よっぴ”

2014年07月02日

第80回 カラオラ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今回はマドリッドの北東380km離れた、スペインワインで有名なリオハ地方のカラオラのパラドールです。この周辺はスペインの野菜畑と呼ばれる地帯で、アスパラガス、インゲン豆、アーティチョーク、ピーマンなどの栽培が盛んな地方です。

第80回カラオラCalahorra
名称「Parador”Marco Fabio Quintillano"」マルコ・ファビオ・キンティリアノのパラドール

サラゴサから列車で1時間半、カラオラの駅から歩いて10分足らずの町はずれの高台にこのパラドールはあります。1975年に建てられたパラドールの外観はパステル調のオレンジ色をしたレンガ作りでリオハの風景によくマッチした明るい建物です。広々とした客室は、ベッドカバーやカーテンも建物に合わせたかのように淡いピンク系でまとめられていて、窓を開けるとエブロ川とシダコス川それに緑に覆われた葡萄やアスバラガスの畑が広がって見えます。

        パラドール                   パラドールの庭
        レストラン

宿泊客は観光客のみならず、リオハのワインやアスパラガス、アーティチョークなどの野菜の買い付けに来た商用の客も多いのだそうです。レストランは真っ白な壁と磨かれたタイルの床が清潔な、お洒落でわりとこじんまりしていますが、カラオラの町並み同様明るくて堅苦しさはありません。リオハの新鮮な素材を生かした料理にはもちろんリオハのワインが供されます。また、広いコンベンションホールでは市民の結婚式の披露パーティや商用の会議が開かれます。

このパラドールの名称となっている「マルコ・ファビオ・キンティリアノ」とはローマ治世時代に当地で生を受け、数多くの賛美歌を作詞して、いまでも歌われ続けているのです。

          部屋                    コンベンションホール

歩いて10分ほどの旧市街には12世紀に着工して完成まで400年かかったというカテドラルを始め、教会や修道院などの史跡が数多くあり散歩コースにもことかきません。町並みはとても明るく清潔で落ち着きがあり、旧市街特有の古くささはホトンド感じられません。

         カテドラル                     マヨール広場
       カラオラの街並み
         水飲み場                     エブロ川

このカラオラの町から南東に50km程行くと美しい中世の町トゥデラがあります。12〜13世紀ロマネスク様式からゴシック様式への過渡期に建てられたカテドラルがあり、パティオの回廊にはロマネスク様式のアーケードを支える柱に聖書或いは聖者伝の物語が付いている柱頭が乗っています。

     トゥデラの町                   トゥデラ カテドラルの回廊

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行15「持ち物」

海外旅行用の荷物は多くの方はスーツケースと言われるトランク、あるいは若い方では大きなバックパックに入れて持ち運ぶ場合もあるでしょう。
どちらを使うにしろ、海外旅行に使用するバッグはある程度の大きさもあり、通常はチェックインの時に重量を量って預けなければなりません。
この預ける旅行荷物は航空機のところでもお話をしましたが、ヨーロッパ線では大体の航空会社のエコノミークラスでは一人20kgまでと決められています。
これは預ける荷物と機内持ち込みの荷物を合わせた重量ということになっていますが、実際には機内持ち込みの荷物は余程大きなものでない限りは重さを量ったりしませんので、預ける荷物の重さだと思っていいでしょう。
だからと言って機内にあまり大きな荷物や幾つかの手荷物を持ち込むと重量超過と言われて多大な超過料金を徴収されたり、厳しい荷物検査をされるおそれがありますので注意しましょう。そもそも10日間や2週間程度の旅行でしたら20kgもあれば十分必要な荷造りが出来ると思います。(超過料金は約5800円/1kg)
最近はどの航空会社でも重量超過がうるさくなっているようなので注意しましょう。
一度ヨーロッパからの帰りにお土産を買い過ぎてしまい重量超過と言われたときに「日本人は元々体重が欧米人よりもずっと軽いンだから多少の重量超過くらい認めろ!」ッと言ったら笑って通してもらったことがあります。 

スーツケースとバックパックとどちらがいいかと言えば、自分が持って運ぶ必要がホトンドないパックツァーや、個人でもパラドールを利用したり、ゆったりした旅をする方はスーツケース、精力的にホテルとホテルの移動中も観光して廻るゾ!という方はバックパックが便利でしょう。
また、機内持ち込みの荷物は大きさが3辺の合計115cm以内となっています。これは頭上の荷物棚や座席の下に収まる大きさまでということです。
もし、自分の荷物が少なくて機内持ち込みだけで間に合うというのなら預ける必要はありません。到着してスグに誰よりも早く空港ロビーに出られますし、ロスト・バゲッジの心配もありません。
機内持ち込みのバッグでも10kg位までは入りますし、必要最小限のモノを持って、必要ならば現地で調達(またこれが自分へのお土産になってしまう)してしまうという方法も考えられます。

さて、荷物を預けた場合必ずクレーム・タグという行き先と番号の付いたシールを航空券の裏表紙に貼ってもらいます。これは万一荷物が出てこない場合(ロスト・バゲッジ)に保証となるものです。このロスト・バゲッジはそうそうあるものでもありませんし、あまり考えたくもありませんが、荷物の積み替えが遅れて延着したりする場合もありますので当座必要となる最小限のものは手荷物に入れておきましょう。
ロスト・バゲッジの心配をしても仕方がないのですが、預ける荷物には必ず鍵を掛けて(英語で住所氏名を書いた)ネーム・タグを2枚位つけたりベルトを巻くなど目印を付けたりして荷物に「自己主張」させて忘れられないように目立たせることも必要です。
これは駅の待合室やホテルのロビーなどでチョット荷物を置くという場合にも結構有効だと思います。

ではこれから具体的にどんな荷物が必要か、どのように荷造りすれば良いかを考えてみましょう。
旅先で一番必要なものと言えば「命」以外では、お金、パスポート、航空券があげられます。
モチロンお金の中には、トラベラーズチェック、国際キャッシュカード、クレジットカード、国際テレフォンカード、ホテルやレンタカーのバゥチャーや列車のチケットなど、お金に代わるものも含まれます。これらのモノは万一紛失した場合の連絡先も控えておきましょう。
パスポートもカラーコピーを取っておきましょう。(普段はコピーのみを持って、ホテルのチェックインにはパスポートが必要でホテルでの預かりになります。

レンタカーを借りる人は免許証、国際免許証も必要です。JAFの会員は会員証も、それと地図にコンパス(方位磁石)があると自分の進んでいる方角が確認できて安心です。
メガネが必要な方は壊れた場合の予備も忘れずに。小さな双眼鏡があるとカテドラルのファサードの彫刻を見たり、空港や駅の見にくい掲示板も見えるし、もちろんスペインの風景を楽しむのにもとても重宝します。

カメラ、ビデオ類は趣味の部分ですのであまり話すことはありませんが一眼レフのカメラの場合は望遠レンズはあまり使わないでしょう。(サッカーや闘牛などの場合以外)
それよりも広角〜標準位のズームが1本あると重宝します。

ビデオやパソコンを持ち込んだ場合は充電が必要となりますから対応できる充電器やソケットの用意もお忘れなく。
その他の電気製品とすればヘヤードライヤーや電気湯沸かしがありますが結構重いし、わざわざ持っていく必要はないと思います。
ドライヤーも当然220vの対応のものが必要ですし3☆以上のホテルになら大体備え付けてあるでしょうし無い場合は借りられます。
湯沸かしは全世界対応となっているものなら使用できるしお茶やおにぎり、ラーメンなどのインスタント食品が食べられるので便利ですが、これも3☆以上のホテルなら備え付けてあるか借りられます。
この他必要と思われるものは、地図やガイドブック、会話集、サングラス、化粧品、洗面用具など個人的なものがあります。

さて最後に一番大きな荷物となる衣類です。
衣類は季節によっても、旅行のスタイルでも(高級ホテルやレストランではそれなりの服装もしたいでしょうし…)、年齢や個人差もあるので一概に言えないのですが、基本は「同じ種類のものは持たない」と言っていいでしょう。
つまり上着(ジャケット)なら1枚、ネクタイとシャツも一枚、セーターも一枚、靴も普通の革靴とスニーカーを1足ずつあればいいでしょう。
気候的には寒い地方、暖かい地方とひっくるめて日本とホトンド同じと思えばいいでしょう。夏には夏の服装、冬には冬の服装そのままで下着や靴下などの着替えを持てば良いでしょう。ただ、夏はそのままの格好ですと機内が思ったよりも寒い場合が多いので上着一枚を持ち込むといいと思います。
気候は同じようと言いましたが、昼と朝晩との気温差が大きいので夜間などはこまめに重ね着などで調節して下さい。

by“よっぴ”