第82回 バイオナ
はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今回から3回、ガリシア地方の美しいリアス式海岸に面したパラドールを連続して紹介しましょう。
このガリシア地方は雨も多く、緑が深く、リンゴ園に牧草地と農業、酪農の盛んな地方です。この地方を訪れる旅行者は、きっとそれまでのイメージしているものとは違った別の自然に恵まれた美しいスペインを発見するに違いありません。
今回はバイオナ、1493年アメリカ大陸を発見したコロンブスの船団、3隻のうちの1隻「ピンタ号」はこの海岸に接岸して新大陸発見を知らせたのです。
第82回バイオナ(バヨーナ)BAIONA/BAYONA:
名称「Parador”Conde de Gondomar"」ゴンドマール伯爵のパラドール
ビーゴ湾の入り江の先端、モンテ・レアル岬に建つ城壁の要塞に囲まれた古城のこのパラドールは、三方を海に面し、松林に囲まれたとても景色が良いパラドールです。
周囲3kmにも及ぶ城郭には遊歩道が作られ、広大な敷地には様々な草花や樹木が植えられて散歩する人たちの心を和ませます。
この城はカトリック両王によって16世紀始めに建てられたもので、町の総督が住んでいました。パラドールの建物はこの石の城壁の中にガリシア地方の旧領主の館をモデルにこの地方独特の建築様式で建てられたものです。
このパラドールでは、この静けさと安らぎを守る為に、工夫がされています。
最初にこのパラドールに入るときには、クルマは大きな石の城門を通らなければならないのですが、そこには守衛が居て5EU(歩行者は1人1EU)を支払わなければ通行できないのです。パラドールの宿泊者も同様に通行時に5EUを払うのですが、領収書と引き替えに後で返してくれるのです。こうして観光客がやたらに入れないようにして、静寂を守るようにしているのです。
サロン
客室は122部屋有りパラドールとしては大きい方ですが、とても人気が高くて7月〜10月は非常に込み合います。部屋は眺めも良く、とても広く清潔で美しい。 パティオに面している45部屋以外は全て海に面しています。
特に素晴らしいのがオリジナルの「寄せ木の床」のサロンでしょう。高い背もたれの付いた椅子に座ってひととき貴族の雰囲気を味わっては如何でしょうか?。
中庭の回廊に隣接しているバルは、海に面しておりすばらしい景観が得られます。
海を眺めながら泳げる大きなプールにテニスコート、少し長く滞在したいパラドールの一つでしょう。
もちろんガリシアの海の幸、生牡蠣、タコ、イワシなどもご賞味下さい。
名称となっているゴンドマール伯爵とは英国大使を10年勤め、この城で余生を送ったといいます。
*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*
個人旅行17 基本コース1
さて前回までで、およそ個人旅行の特徴、作り方や楽しみ方がお分かり頂けたでしょうか?
これから具体的に「基本コース」基にしてプラン作りをしていきたいと思います。
もちろん一つのモデルコースとして、そのままの日程でも良いのですが、自分なりの好みで味付けをして頂ければもっと充実した個人旅行が出来ると思います。
「マドリッド・バルセロナ6泊8日」
スペインで何処に行ったの?と聞かれて返ってくる答えの十中八,九はマドリッドとバルセロナでしょう。フランスのパリ、イタリアのローマと同じように国の玄関口であり、観光客が多いのは当たり前なのですが、パリはパリ、ローマはローマなのに、このスペインの二大都市はそれ以上の意味を持っているのです。
これはどういう意味かと言うとマドリッドからは実にエクスカーションが豊富な都市であるし、バルセロナは、ガウディ、ピカソ、ミロ、ダリと言ったモデルニスモの発祥の地として魅力溢れる都市で、どちらの都市も様々な変化に富んだ顔を持っているということなのです。
ツァーと比べて、個人旅行における最大の難点といえば荷物の取り扱いでしょう。
ツァーでは荷物を(バスなどに)預けたまま手ぶらで観光地を歩けるのに対して、個人旅行では大きな荷物を担いだバックパッカーは別としてトランクを引きずりながら観光は出来ないのでホテルに早めに入って荷物を下ろしてから観光に出かけるか駅などのコインロッカーに預けるとかしなければなりません。レンタカーで廻ったとしても駐車場を探したり、車の中に置いてきた荷物が気になって落ち着いて観光が出来ないということになります。
この点、この二大都市だけに宿泊するのならば、町の魅力も或いは周辺の見所も多いので荷物を持って移動をすることなくいろいろなスペインを見ることが出来るのです。
例えば、マドリッド周辺にはトレド、アランフェス、セゴビア、アビラ、アルカラ・デ・エナレスといった世界遺産が沢山ありますし、超特急AVEを使えばコルドバ、セビージャといったアンダルシアの世界遺産までも日帰り圏内にあるのです。
市内だけでもプラド美術館や「ゲルニカ」のあるソフィア王妃近代美術館、王宮を始め小さな美術館、博物館まで入れるとどちらも1週間居ても飽きない魅力を持っています。
ですから、このマドリッド、バルセロナ各3泊ずつを最初の基本コースとしてみました。
第1日目日本―(ヨーロッパ乗換え)−マドリッド
第2日目午前 プラド美術館 ソフィア王妃美術館 午後トレド半日観光
第3日目午前 セゴビア半日観光 午後 王宮など市内観光 夜 フラメンコ鑑賞
第4日目午前 マドリッドーバルセロナ(AVE)で好きな時間に移動
午後 グエル公園 サダラダ・ファミリア聖母教会 ミラ邸などガウディ
夜 ライトアップされたバトリョ邸、ミラ邸、サグラダファミリアなど。
第5日目 ピカソ美術館 ゴシック地区 カタルーニャ音楽堂 ランブラス通り
第6日目 コロンブスの塔 (フニクリフニクラ=ケーブルカー)モンジェイクの丘
ミロ美術館 カタルーニャ美術館 スペイン村など
(どちらかの午後)モンセラット半日観光
夜はバルセロネータでシーフードは如何でしょうか?
第7日目 バルセロナ―(ヨーロッパ乗り換え) 第8日目―日本
空港―マドリッド市内はタクシーで30EU、空港―バルセロナは25EU位。
さて、モチロン、この逆コースも考えられますが、もしも貴方がスペインを初めてなら、是非マドリッドIN、バルセロナOUTのコースをお勧めします。
マドリッド市内に初めて入り、クルマの窓から眺める、どっしりとした風格のある建物が立ち並ぶ風景に、ヨーロッパの他のどの都市よりも胸にこみ上げる感動があるに違いありません。 そう、このマドリッドの街並みはどのヨーロッパの国の都市よりも豪華で素晴らしいのです。(特に夜間にライトアップされた街並みはことのほか素晴らしい)
バルセロナはとてもお洒落なモデルニスモ発祥の街、旧市街のカテドラルなどとガウディ建築との対比が不思議とマッチする街です。
そして世界一美しいといわれる「ランブラス通り」、此処を歩いていると本当に平和を感じる(たまにスリもいるが…)何日居ても飽きない街です。
バルセロナの街はきっとこの旅行をより想い出深いものにしてくれるでしょう。
もし、もう少し日にちが取れるのだが…っという方にトッピングを。
マドリッドからチンチョンに行きパラドールの宿泊を加えましょう。モチロン移動はタクシーで(60EU位?)
もう一日、チンチョンからアランフェス、トレドと周遊して(90EU位?)トレドのパラドールに泊まるという贅沢な旅もお勧めです。
バルセロナでのトッピングは中世の町ヒローナ、ローマ遺跡のタラゴナの町、それとカルドナの古城のパラドールは絶対お勧めです。
by“よっぴ”